「あん?総理大臣?」
「そう。もし銀時がなったらどうする?」

飲んでいたお茶をことりとテーブルに置いて、悩んでいる彼の方へ顔を向ける。なに、特に意味はないただの暇つぶしの話題だ。

「まずだな、アレだ。俺の髪をストパーにする機械を何が何でも発明させる」
「無理だよ。もうその髪は取り返しがつかないよ」
「黙らっしゃい!」

声を荒げた銀時は、テーブルに置いてあった苺牛乳を飲み干す。

「それだけ?」
「んー…いや…アレだな。国旗が日の丸なんてダセェから、…そーだパフェの形なんてどうよ」
「わかりにくいしパフェのがダサいよ」
「てめっパフェなめんなコラ」

何が言いたいんだと言った目をした銀時を横目にため息をつく。すると、銀時は眉間にシワを寄せた。

「なに、何が言いたいのお前は」
「銀時は、総理大臣になったら、自分の事ばかりなんだね」

じっと、少しきつい視線で銀時を見据える。銀時は一瞬たじろいだ後、ニヤリと笑みを浮かべた。そんな表情をされれば今度は私がたじろぐ番だ。

「な、何」
「そーかそーか。お前の事考えてないから拗ねてんだな。可愛い奴め」

ニヤニヤと憎たらしい笑顔で私の頭を撫でる彼。その手をぱしっと払い、勢いのまま立ち上がる。

「違っ、そんなつもり無いから!」
「そんな朱い顔で言われても説得力無いよ。つーか銀さんがムラムラするだけ」

ニコニコと上機嫌な銀時に腕を引っ張られ、必然的に私は銀時の腕の中。頭を何度も優しく撫でられて、落ち着いてしまう私は子供みたいだ。

「…お前は、俺が万事屋のオーナーであろうと総理大臣であろうと、浮浪者であろうと隣にいてくれんだろ?だから総理大臣であろうと何であろうとお前に望むモンは変わんねーの」
「浮浪者なら隣にいないかも。…望むモン?」
「…そこは空気を読んで頷こうぜ?」

わざとらしい泣きまねの後、優しく声音で降りて来た声。

「俺はお前が幸せで、笑っていてくれりゃあ良い。だから、俺はお前を苦しめるモンを、俺の全てをかけて苦しめてやんよ」
「…キザ」
「なっ!?」

うわー、銀さん傷ついたー。なんて棒読みの声が上から降ってくる。キザったらしい言葉と銀時の微笑みにキュンと来たのは内緒。

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