「辰馬目ぇちゃんと閉じてる?」

「たってる」

「たってる?」

「閉じてるって意味じゃ」

「へ〜」



名前に家に来るよう指示されて来てみれば、来て早々目を暝れとの命が下された
意味が分からんが可愛い名前の頼み
ここは大人しく目を暝る
名前に手を引かれながらゆっくり歩くのはまぁ怖い
なんとなくキィ…っと扉を開けるような音がした気がした



「もう開けてもいいかぇ?」

「まだ待って!ここに座って」

「ここか?」

「そうそう」



椅子らしき物に座らされるとさっきまで繋いでいた名前の手が離れていった



「もう開けてもいいよ」



わしはゆっくりと目を開いた
すると目が完全に開いたのと同時にクラッカーが鳴った



辰馬誕生日おめでとう!

「おんしゃら…」



わしの前には沢山の料理とでっかいケーキ
わしは誕生日席に座っていて右側に高杉と名前、左側に銀時とヅラがいる



「なんつー顔してんだよ」

「このケーキ銀さんの力作なんだから残さず食えよ!俺も食うけど!」

「料理はね私と晋助で作ったんだよ!晋助意外と器用なの」

「俺様に出来ねぇことはない」

「死ね」

「なんでだよ!」

「小太郎は準備係で色々必要なものとか準備してくれたんだよ」

「ま、まぁ友の誕生日を祝うための準備は苦では無いからな」

「地味に照れてるし!うっざ!」

「きっしょ!」

「貴様等ァァァアッ!!!」



小太郎達が騒いでいるのを尻目に辰馬を見ると目を丸くして驚いていた



「どうしたの?」

「こりゃあおんしゃらが全部やっちゅうがか?」



辰馬はぐるりと部屋を見回した
部屋の飾り付けには幼稚な紙の輪が沢山付けられている



「私辰馬が笑ってるときが好きだよ」

「…なんちゃ急に」

「んー?なんか辰馬が笑ってるだけでその場が明るくなるなーと思って、晋助も小太郎も大口開けて笑ったりしないしさー銀時は爆笑するときあるけど厭味なこと多いし。あの三人は辰馬みたいに大口開けて楽しそうに笑うことって少ないじゃない」

「…そがあ風に言われると照れるぜよ」

「ふはっ!辰馬照れてる!」



辰馬は頭を掻いて恥ずかしそうに目を逸らした



「あ!先生ー!坂本くんと名前が何かいい感じでーす」

「何ィ!?そんなこと先生は許さんぞ!」

「先生あなたに一体何の権利があるんですか」

「政府を動かす権利です」

「つまらん!お前の話はつまらん!」

「先生うざいぜよ」

「もういいよケーキ食おうぜケーキ」

「ちょっと!プレゼント渡すのが先でしょ!」

「はいはい、辰馬ほらよ」



俺の投げたプレゼントは見事辰馬の手の中へ
辰馬は礼を言うとその場で開け出した
普通その場で開けるか?



「……何じゃコレ?」

「あー?お前それはアレだよ、ジャスタウェイだよ」



俺が辰馬にやったのはジャスタウェイのキーホルダー
ぶっちゃけ何あげたらいいのかわかんねぇし金無いから適当に店に行って一番安かったのがジャスタウェイのキーホルダーだった



「んー…まぁどっかに付けるぜよ」

「おう」 

「俺からはこれをやろう」



俺が坂本に渡したのはステファンと言う縫いぐるみだ
エリザベスによく似ていて可愛らしい



「オバQ…」

「違う!違うよ辰馬!」

「オバQじゃない!エリザベスだ!間違った、ステファンだ!」



オバQとは失礼な奴だ!
坂本が手に持ってステファンを眺めていたら銀時が横からステファンを取り上げた



「ぶははははっ!!!いらねー!貰っても需要ねぇー!」

「ほら、爆笑したけど厭味でしょ」

「まっことじゃ」

「俺はコレやるよ」



俺が坂本にやったのは惑星と言う銘酒
別に何でもよかったけど一応坂本は宇宙好きなので宇宙関連の名前の銘酒にしてみた



「おー酒じゃ!」

「意外に1番まともだね」

「意外は余計だ」

「高杉が1番まともとかありえねぇ」

「テメーは人にあんなやる気のねぇ顔したキーホルダーやるとかふざけてんのか」

「ふざけてねぇよ!銀さん真面目に財布と相談して出した結果がジャスタウェイだよ!いいじゃんジャスタウェイ!可愛いじゃんジャスタウェイ!俺なんか目覚ましジャスタウェイだぜ?」

「ジャスタウェイジャスタウェイうるせぇぇぇえっ!!!」

「銀時お前…そんなに金なくて日頃生活できているのか?」



まったくだ
こいついつも金欠金欠って
今は裕福な時代なのにマジでコイツなら餓死とかしそう…



「つーか名前はプレゼントなんなんだよ」

「えっ…なんか晋助が意外とまともだったから出しづらいんだけど……」

「気にしな、わしはどかあ物けんど嬉しいぜよ」

「んー…」



渋々名前が出してきたのは写真立てだった
と言うか俺があげたステファンどこに行った



「まともっちゃあまともだけどなんか…」

「地味」

「うっ、だって…ほら、辰馬ってみんなと一緒にいるの好きじゃない?だからみんなと一緒にいるとこ写真に残して飾っとくのもありかなーって…」



名前は後になるに連れ言葉が弱々しくなった
そんな名前の頭をヅラは撫で、写真立てを机に置いた辰馬は名前に抱き着いた



「おひゃあっ!」

「坂本ォォォオッッ!!!」

「おんしゃまっこと可愛いぜよ!」

「わかるよ!考えてること可愛いよな!だから抱き着きたくなるのもわかるけど離れろォォォオッ!!!!」



名前に抱き着くわしを銀時やらが引っ張って剥がす
だって可愛いかったからつい



「ケーキ食べたら写真撮るぜよ!」

「わかったわかった」

「あれ?蝋燭何本だっけ」

「適当に50本くらい刺しとけ。実際年齢そんくらいだろ」

「ぶっ飛ばすぞカス」

「辰馬が50歳だったら晋助も50歳になるよね」

「ふざけんなブス!俺様は永遠の18歳だ」

「頭は中二じゃねぇか」

「中二はヅラだろ」

「ヅラじゃない桂だ!」

「ああぁあぁぁっ!!おんしゃ蝋燭何本立てとるんじゃ!」

「あー?何本だコレ」

「明らかに立て過ぎだよねー」

「50歳!50歳!」

「黙れドチビ」

「ドッ…!」

「だ、大丈夫だよ晋助!私より高いじゃん!」

「当たりめーだ!」

「おーいもう先に写真撮ろう」

「はぁ?先にケーキ食おうぜ」

「まぁいいじゃん!ほら辰馬も晋助も!」

「んー…よし!タイマーセットしたぞ!」



ジー…



「ははっ辰馬誕生日おめでとう!」

おめでとう

「アッハッハッ!おーきに!」



パシャッ



鹿



遅れてごめんね坂本氏
 
091201 by にやり

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