「名前、用意は出来たかい?」

「…はい」



私の薬指に輝くのは銀色の指輪


私は今日結婚する。




















総悟の夢は何?
 
俺ァ近藤さん達と一緒に刀振って護りたいもんずっと護り続けんのが夢でさァ
 
総悟なら出来るよ!…あのね!私の夢はね、





「総悟、こんなとこで寝やがって…テメー用意出来たのか?」

「…ん、」

「おら、結婚式行くぞ」









総悟!
 
名前…
 
江戸に行くの…?
 
あぁ、夢叶えに行くんでさァ
 
っ、帰って来るよね?っう…私の夢叶えて来るよね…ふっ、
 
泣くな。俺が20歳になったら絶対迎えに来るから
 
…っ絶対だよ!怪我しないで、待ってるから…!ずっとずっと…





彼と抱き合ったのはあれが最初で最後
貴方は今幸せですか?
私は今幸せなのでしょうか


あの日、地面には私の乾くことのない涙が雨の様にポツポツと沢山の跡を作った





彼女は今日結婚する
餓鬼の頃20歳になったら迎えに行くと約束した彼女が
あの時本当は姉上や彼女も一緒に連れて行きたかった
これは俺の我が儘でしかない
きっと彼女は泣いただろう
ずっとずっと俺の帰りを待ってたのだろうか




「名前、」

「総悟…」

「結婚おめでとうございやす」



僕はまだ18歳
貴方は今幸せですか?
僕は今幸せなのでしょうか



「総悟、私結婚するのよ」



ねぇ引き止めてよ総悟
知ってるんでしょう?この結婚は私が望んだものじゃないって



「おめでとう」



嗚呼、馬鹿らしい
貴方はいつも私を引き止めたりしない
今だってそう



「ありがとう」



もう一度彼女を抱きしめることは出来ないだろうか
こんな血に汚れた手では抱きしめることも叶わぬのだろうか



彼女を、彼を、出来るだけそっと抱きしめたい



「…泣くな、名前」

「総悟だって泣いてるじゃない…」



総悟の夢は何?
 
俺ァ近藤さん達と一緒に刀振って護りたいもんずっと護り続けんのが夢でさァ
 
総悟なら出来るよ!…あのね!私の夢はね、
 
 
 
総悟のお嫁さんになること!





あの子が泣いている




091118

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