「そぉーご、」
「何でィ?」
「今日は七夕だね」
「雨だから天の川見えやせんけどね」
「そうだねー」
明日は非番のためたまの休みを彼女と過ごそうと思って9時頃に仕事を終わらせて、すぐ彼女の家まで飛んできた
今日は泊まっていって明日は二人でゆっくり過ごしたい
「総悟好き」
「へぇー」
「どのくらい好きかって云うとー、んー…そうだなー……あれ?わかんないや」
「自分で言っといてわかんねぇなんて馬鹿なんじゃないですかィ?」
「じゃあ例えらんないくらい好き」
じゃあって何だじゃあって
折角泊まるんだし、今日は七夕で織り姫と彦星もイチャついてるんだし俺らも熱くニャンニャンしようとさっき彼女を誘ったら気分じゃないとの一言で断られた
なのにこんなこと言って、風呂上がりで石鹸の匂いを振り撒きながら俺に擦りついて甘えてくる彼女は狡いと思う
「ねぇねぇ、今日テレビでやってたんだけどね、もし明日地球が崩壊するとしたら総悟はどうする?」
「普通に過ごしやす」
「普通って?」
「普通」
「答えになってないよ!」
「あんたならどうするんでさァ」
「私?んー私なら総悟と一緒に普段通り過ごすかな」
「…なんで俺がお前の普段に組み込まれてるんでさァ」
「えー総悟あっての毎日だもん。総悟がいないんならそれは私の普段の生活じゃないよ」
彼女はさらっとなんちゅーことを言ってのけるんだ
俺の普段の生活にも彼女が居るように彼女の普段の生活にも俺がいるのが堪らなく嬉しい
「ねぇ総悟、今何時?」
「ん、23時50分」
「そう」
「もう寝やす?」
「まだダメ」
俺がかいた胡座の上に向かい合う状態で座り、抱き合いながらさっきまで俺の胸に頭をぐりぐり押し付けて甘えていた彼女が顔を上げ、俺をギュッと抱きしめたまま俺の肩に顎を乗せて俺の背の向こうに置いてある時計をじっと見つめた
腕の中の彼女がわくわくしているのが伝わり何だか笑えた
時計の針が進むに連れ彼女のわくわく度は増している気がする
「俺のために12時まで起きてるんですかィ?」
「……そういうのは気づいても言っちゃダメだと思うよ」
わくわくしている可愛い彼女にサド心が疼き彼女に意地悪すると、彼女は膨れた
「12時になったら私がおめでとうーって言って、わぁ俺、今日誕生日だったんだーってのがお約束でしょ!」
「まだ自分の誕生日忘れる様な歳じゃありやせんよ」
「気づいても気づかないふりするのが愛情!」
「サドは愛しいものほど虐めたくなるんでさァ」
「そんなの私Sじゃないからわかんない、普通なら愛しいものほど虐めるんじゃなくて、ぎゅーってしてちゅーってしたくなるもんでしょ!」
「それもいいけど男はそれより先を望むもんでさァ」
「先?」
「えっ「わかったから言わなくていいよ。……あ」
突然彼女が俺から目を外した
何だと思い彼女の視線の先を見ると、0時3分
「誕生日おめでとう。3分過ぎちゃったけど」
ぴったりに言いたかったなーと愚痴る彼女の唇を塞いだ
唇に噛み付いて、貪るようにキスをした
「っぷは!…な、長いよ!」
「3分過ぎた分は愛情でカバーでさァ」
「絶対3分より長かったよね」
「いいでしょ?愛しいものにはぎゅーしてちゅーしたくなるんならちゅーしてもなんの問題も無いでさァ」
「ぎゅーは?」
「さっきからずっとしてるだろィ」
ちゅーしてぎゅーしてこれでニャンニャン出来たら最高の誕生日だったんですけどねィ…
まぁ結局のところ彼女さえ居ればニコチンマヨラー野郎が死のうと、明日地球が崩壊しようと何だろうと俺にとったらどうでもいいことなんでさァ
つまりこれは僕が君を大好きだって話
明日は二人で街に出掛けようか
END
Happy Birthday沖田くん!
090708