「団長〜…」

「ん?何?」

「重いです…」



団長はさっきから料理を作る私の背中に張り付いて、お腹に手を回しぎゅうっと抱きしめている
肩に置かれてる顎が痛い
体重をかけてくるので重い



「団長手ぇ切っちゃうんで離して下さい」

「俺的には切って欲しいな、名前の血美味しそうだし」

「(あんたは吸血鬼か…)」

「今なんか失礼なこと思わなかった?」

「き、気のせいだと思いますよ」

「チッ」

「(舌打ち!?)」



殺気こそ無いものの回されてる腕に力を込められた
内蔵的なものが出る!
と云うかなんだ今日の団長は
なんでこんな甘えたなんですか
団長はそんなキャラじゃないですよね



「今日はケーキ食べたいな」

「ケーキ!?無理ですよ!今から作れって言うんですか!?」

「別に作んなくていいよ買ってきたのでいい」

「あの…この船は宇宙の中を飛んでるんですよ?どこでケーキ買う気なんですか?」

「どっかの星に降りればいいよ」

「どっかの星にって…あ、ほら、もう料理出来ましたよ」



疲れたー…何せ一回の食事量がハンパないからな…
団長細いくせにアホみたいに食べるからな



「あの…団長……」

「何?」

「食べないんですか?」



団長は背中に張り付いたままで料理に手をつけない



「ん?食べさせてよ」

「はい!?団長何言ってるんですか!!」

「ねぇ、その団長って呼ぶのやめない?」

「はい?」

「名前で呼んでよ」

「はい?」



何を言いだすんだこの三編み男は



「呼んでみて」

「よよよ呼んでみてって…!!」

「早く呼ばないと殺しちゃうよ?」

「殺しっ……!!??」

「さーん、にー、いー…」

「か、神威団長ッ!!」

「…………。」



名前で呼んじゃったよー!
やっぱり気にくわないとか言ってこここ殺されるんだ…!!



ギュッと目を閉じて死を覚悟したけど、いつまで経っても痛みはこなかった


恐る恐る目を開けると団長は私をみながらニコニコしていた



「あ、あのー…?」

「まぁ今は団長付きで許してあげるよ」

「は、はぁ…」



とりあえず私は死ななくてすむらしい



「俺今日誕生日なんだ」

「え?あ、おめでとうございます!」

「うん」

「(うんって言われても…)」

「ケーキは阿伏兎にでも買いに行かせようか、」

「時間かかってもいいのなら今からでも作りますけど…誕生日知らなかったんでプレゼントも用意してませんし……」

「へー俺へのプレゼントケーキで済ませる気なんだ」

「いやいや!そういう意味じゃなくて、その、プレゼントは後日絶対買って渡します!」

「別に買わなくていいよ」

「はい?…ッ!」

「これでいい」



団長の手には私の左手首が握られている
その左手の薬指の腹を切られ、出来た切り口から漏れ出た血を舌で舐められた



「血、甘いね」



私の手首を握ったままニコッと笑う団長
私は顔が爆発する勢いだ



「だだだだだ団長…!!!」

「あれ?名前は?」

「あ、」

「え?何なに?殺されたかったの?」

「違います!違います!ごめんなさい神威団長!」

「まぁ今年はこれでいいか、」













(あ…ケーキ作る材料ない……)
(あれれ?ほんと?阿伏兎ーケーキの材料買ってきてよ)
(なんで俺が……)



一日遅れたけどHAPPY BIRTHDAY神威くん!


090602


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