「暑いぃぃぃいっ!!!!!」

「うるせぇな」



晋助の部屋でゴロゴロしている私
部屋の主は窓の縁に座りながらキセルを吹かしている
あぁ…どうにも暑い
空気がむさい
汗が気持ち悪い
いくらお風呂に入ってもすぐに汗をかく



「暑い!どうにかしてよアホ杉!」

「殺されてぇのかテメーは」

「なんでこんな暑いの!」

「夏だから」

「その答えうざっ!ぶっ殺すぞバカ杉」

「黙れクソ女」

「暑い!暑い!」

「騒ぐな余計暑くなる」

「汗ひとつかいてないくせに何言っちゃってんのこの鬼●郎」

「誰が鬼太●だ」



晋助はこんなに暑いと云うのに汗をかいてない
知ってるかい?汗をかかないのは体に悪いんだよ
キセルばっかり吹かしてるからだよバーカ
心のなかで晋助を毒づいていると突然障子が開けられた



「アイス買って来たでござる」

「きゃー!万斉ありがとうー!」

「現金な奴」

「万斉、低杉にはあげなくていいよ」

「おい、ふざけんなバカ」

「バカじゃないし〜私いちごみるくがいい!」

「いちごみるくなんて邪道なもん食うのはテメーと銀時くらいだ」

「何に対する邪道なのかわかんない」

「なんでもいいから早く決めろよ。まだ来島殿や他の人にも持って行かなければならないので早く」

「「(万斉こえー…)」」



コンビニの袋から二人してアイスを取り出すと万斉はさっさと出て行った



「ちょ、万斉超怖いんですけど!」

「暑さで機嫌わりぃんじゃねぇの?」

「今日は万斉には近づかないでおこうっと…」



バリッとアイスの袋を破ると甘い匂いのするピンクと白が入り混じったアイスが顔を出した
それを口に入れるとヒヤッとした冷たさが舌を冷やした
部屋の暑さとかは全然変わらないのに少し涼しくなったような気がする



「杉は何味?」

「杉ってなんだ」

「ネタ無くなった」

「普通に名前で呼べやボケ」

「はいはい。てか何そのアイス超緑」

「抹茶」

「おいしい?」

「普通」

「ちょっとちょうだい」

「嫌」

「なんで」

「なんでも」

「死ね」

「お前が死ね」

「死なない」

「俺も」



あー…それにしても暑いなー…
アイスの溶ける早さが尋常じゃない
犬とか動物はもっと暑いだろうなー
あんな毛むくじゃらなんだもん
私なら蒸れるしヤダな
犬に服着せる人、犬きっと暑いよ



「あっつー」

「お前さっきからうるせぇ」

「んー…今日何日だっけ?」

「知らねぇ」

「8月10日だよ」

「知ってんなら訊くな」

「だって暇なんだもん」

「寝ろ」

「あははっ無理。あ、晋助」

「あ?」

「今日誕生日だね」

「あ?あぁ、そうか、今日か」

「忘れてた」

「別にどうでもいいだろ」

「んー」



あぁーあ、アイス食べ終わっちゃった
晋助も食べ終えたのかアイスの棒を窓から下に投げ捨てた



「まさかのポイ捨て」

「うるせー」

「町歩いてる人びっくりだね。空からアイスの棒降って来たらビビる」

「当たった奴は不運だな」

「自分で捨てた癖に」



さっき無理とか言ったけどなんか眠くなってきちゃったな…
あれ、目ぇ閉じたらほんとに眠いぞ
あ、あぁー瞼持ち上げるのすら億劫



「晋、助…」

「んだよ」

「誕生日」

「は?」

「おめでとう…」



そこから私は意識がない
恐るべき私の睡眠力



「寝てやがる…」



晋助は私に近寄り立ったまま見下ろし小さく笑うと
また窓の縁に座りキセルを吹かした


end


あんまり祝ってる感じしないけど高杉Happy Birthday!

0900810

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