「「祭じゃぁぁぁあっ!!!」」
「うるせぇぇぇえっ!!!!」
スパーンッ!
「…〜ったーい!なんで頭叩くのよ!」
「うおー…脳細胞死んだー…」
「お前らうっせーんだよ!なんなんだよ!今日祭なんてねぇよ!スッカスカの頭のくせに脳細胞死んだも糞もねぇよ!」
「もうー…なあに?今日の銀時くんはご機嫌ななめでちゅかー?」
「何コイツ!イラッとすんだけど!イラッと!」
「イライラはカルシウム不足じゃ」
「おめーら馬鹿二人のせいでイライラしてんだよ!殺されてぇのかテメー!」
「えーなんでー?あたしら悪くないもん!ねぇー辰馬?」
「ねぇー」
ねぇーじゃねぇよ!
人が気持ちよく昼寝してたのになんでこの馬鹿二人のわけわかんねぇ叫び声で起こされなきゃなんねぇんだよ!
あと少しで超特大パフェ食えたのに…!!!(夢の中でだけど!)
「だいたい今夕方だしー」
「寝過ぎじゃ」
「………。ヅラと高杉はどこ行ったんだよ」
「お使い」
「はぁ?お使い?」
「いま戻ったぞー」
「あ!来た!」
そう言うと馬鹿二人はバタバタと走って庭の方に出て行った
「銀時早く!早く!」
「あぁ?なんだよ」
呼ばれたので渋々庭に出て行ってみると笹を抱えたヅラと高杉がいた
「うおっ!何その笹」
「ちょっと近くの林から拝借して来た」
「拝借って…切ってきたんだろうが」
「早く笹立ててよー」
「はいはい、今立ててあげるからちょっと待ってなさい」
「お前も手伝えよ」
「わたし女の子だもーん!」
「くそうぜーっ!」
ブツブツと文句を言うわりにちゃんと地面に笹を立ててあげるあたり晋ちゃんは優しい子だとお母さんは思います。
「はい、銀時コレ」
「はい?」
俺に手渡されたのは縦長の紙とペン
なにこれ短冊?
「私達が笹に飾り付けしてる間にちゃんと書いてね、あと銀時だけだから」
「書くって願い事?」
「それ意外何があるのよ」
「んー…ん、ん、ん!ほら書けたぞ」
「早ッ!えー…『サラサラヘアーになりたい』」
「あ、お前読んでんじゃねぇよ!」
「何コレ!願う価値もない願い事じゃん!」
「あのなーお前それはお前がサラサラヘアーだからしょうもねぇ願い事に見えんだよ」
「あーら、サラッサラヘアーでごめんなさーい」
「むかつく!死ね!…高杉の願い事でも見てやろう」
「あー晋助の願い事は身長が伸びますようにだよ」
「ぶっ!」
「笑っちゃうよねー因みに小太郎は日本の夜明けが見たいで辰馬の願い事があたらしい船が欲しいだった」
「見たのかよ」
「うん、だって気になるし」
「お前の願い事は?」
「痩せますように」
「お前こそ願う価値ねぇ願い事じゃん!そこは普通『みんなとずっと一緒にいられますように』とかだろ」
「は?何それ願わなきゃみんなバラバラになっちゃうの?」
「いや、別にそういう意味じゃねぇけど」
「ならいいじゃん願わなくたって一緒に居てくれるでしょ?」
「……さぁな」
「ふふふ、銀時照れてやんの!」
「照れてませんー」
いつまでも一緒っつーわけにはいかねぇけど願わなくたって俺はその時が来るまではお前らとずっと一緒だよ
今だってみんながみんなを大好きだから一緒にいんだろ?
誰かが死んだりしねぇ限り例え数年後バラバラになったとしても同じ空の下で俺らはお互いがお互いを想いながら生きていく
どんなに離れても大好きなことに変わりはない
あ、やっぱり訂正
俺ァ自分が死んだとしてもこの中の誰かが死んだとしてもコイツらが好きだ
「おーい飾り付け終わったぞー」
「はーい!今行くーほら銀時行くよ!」
「おう、」
「よし素麺でも食うか」
「私が作ったから超美味しいよ」
「おんしゃ茹でただけちや」
「銀時お前願い事何書いた?」
「お前には教えませんー身長が伸びますようにの高杉くん」
「!テメーいつの間に読んだんだよ!」
「俺が読んだんじゃありませーん読んだのコイツだしー」
「ちょっ…!コラ、銀時!」
「お前かコラァァア!!!!」
「高杉安心しろ。わしが一番高いとこに吊っといてやるから」
「黙れ毛玉!」
蝉が鳴くまであと少し。
誰かの家で七夕パーチー
090707