「ハッピーバースデー坂田氏☆」

「お前は俺をナメてんのか」

「ちょ、ごめんってーマジでー」

「謝る気ねぇじゃん!俺の誕生日祝う気ゼロじゃん!」



いやね、銀さんだってもういい年なんだから誕生日祝ってくれなかったぐらいで拗ねたりしないよ?
けどね1ヶ月過ぎてハピバ☆とか言われたらなんか殺意芽生えてくるから
今11月だから、つーか11月ももう終わりそうなんですけど



「マジでごめんってーだって出張だったんだよー1ヶ月間京に言ってたんだよーもう関西弁移っちゃうくらい京にいたんだよー私ホンマ反省してんねやで?」

「黙れ」

「……ほんとに反省してんだよ?逢えなくても電話くらいしたらよかったよね」

「はぁ…」

「何で溜め息」

「別に拗ねてるわけじゃねぇんだけどよー…なんつーか…なんかモヤモヤするんだよ」

「ごめん…」

「いや…」



あーダメだなー俺
コイツは遅れてでも祝ってくれようとしたのに何かコレ俺がテンション下げてんだよな



「京でね、」

「…おう」

「仕事忙しかったのに寂しかった…周り関西弁で怖かったし銀時に会えなくてヤだった」

「俺もさ、誕生日に神楽と新八がババア共とちいせぇパーティーやってくれたんだよ」

「うん」

「あの真選組の奴らも憎まれ口叩きながらも祝ってくれたんだよ」

「うん」

「照れ臭かったけど嬉しかったし楽しかった」

「よかったね銀ちゃん」

「けどおめーがいなくて寂しかった」



どんだけ酒呑んで騒いでもふとアイツ今何やってんのかなーとか考えてた
仕事頑張ってっかなーとか風邪引いてねぇかなーとか上司にイジメられてねぇかなーとか浮気してねぇかなーとか…
1ヶ月ずっとコイツのこと考えてた
誕生日とか関係なしにずっと逢いたかった



「よしっ!銀ちゃんケーキ買いに行こう!」

「はぁ!?今から!?」

「夜だけど探せばまだどっか開いてるでしょ!」

「もう別にいいって」

「よくない!みんな祝ったのに彼女の私が祝ってないとかムカつく!」

「ムカつくって…」

「言い訳になるかもしんないけどホントは一番におめでとうって言いたかった、けど忙しくて電話する暇もなくて……」

「…ったくしょうがねぇなー」

「銀ちゃん…?」



炬燵から出て重い腰をあげる



「ほらマフラー巻いて巻いてー」

「ちょ、銀ちゃん?」

「よしオッケー!ほら、ケーキ買いに行くんだろ?」



俺がそう言って手を差し出すと彼女はパアッと明るくなって俺の手を握った
二人で万事屋を出て夜の街を手を繋ぎながら歩く



「実はね、お土産もあるけど誕生日プレゼントも買ってあるんだよ!」

「えー何買ってくれたの?」

「ふふふ、内緒!」

「なんでだよぅ」



ふざけた口調で茶化しながら彼女の後ろに回って脇腹を擽る



「やっ!ちょっと待って!擽るの無し!」

「どうだ参ったか!」

「あははっ!参った!参った!」

「よーし!銀ちゃん大好きって言ったらやめてやる」

「やめ、ちょっ、くはっ!好き好き!銀ちゃん大好きー!」

「投げやり感が半端ねぇけどまぁいいか」



擽るのを止めてまた彼女の横に並んで歩く



「ふふ、擽ったかったー」

「お前脇腹弱いよな」

「うん、今度脇腹擽ったら死刑ね」

「おー怖っ!あ、お土産って何?」

「あのねー」

「んー」

「苺のあんの八ツ橋」

「八ツ橋かー」

「八ツ橋だー

あ、そういやまだちゃんと言ってなかった!」

「ん?何を?」

「誕生日おめでとう銀時」

「おう、来年は一緒に祝おうな」

「うんっ!」



愛を積み上げる




遅れてごめんね坂田さん

091130 by xx

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