1/2
「や…やっと着いた…エクソシスト総本部…黒の教団」
一足先にこの断崖絶壁を登り終えたアレンが、そこに見えたであろう黒の教団を見据えている(多分)。いやいやそんなことはいいからさ!
「ちょっと!登りきったなら手ぇ貸してよ!」
「これくらい自力で登りなさい馬鹿」
「これくらいって何!?てか女の子でここまで登れたの奇跡だからね!?」
「女の子…?」
「もういいからお願い手ぇ貸して!もう腕限界落ちる!」
「ったく…なんなんですか君は図々しい」
心底めんどくさそうな表情をしたアレンに腕を掴まれたと思ったら、一瞬で引き上げられてしまった。重っ…と奴が呟いたのは聞かなかったことにしてありがとうと言えば痩せろデブと返された。もうやだこの人。
「うわあ…ここが黒の教団」
「なんていうか…雰囲気ありますね」
「どっちかっていうと悪の総本部ってかんじ」
「くだらないこと言ってないで行きますよデブ」
「うっさいなもう!それ女の子に向かって言っていいことじゃないからね!」
「女の子…?」
「そのネタ二回目!」
「ブヒブヒうるさいですよ」
「いくら私でも泣くよさすがに」
「もう鳴いてるじゃないですかブヒブヒと」
「もう怒ったよ!怒ったからね私!だいたいアレンはいつも「すいませーん、クロス・マリアン神父の紹介で来たアレン・ウォーカーとリサです。教団の幹部の方に謁見したいのですが」言わせてよせめて!」
私がついに怒りを露わにしたところでアレンは教団のものらしきゴーレムに声をかけた。いいかげん怒るからね、てゆーか泣くからねもう。
若干の沈黙の後、ゴーレムから『後ろの門番の身体検査受けて』との指示が出た。門番ってゆーかなんてゆーか…なんだこれ。
私から先に検査を受け、当たり前だけど異常なしと診断された。次はアレンが門番さんのレントゲン検査を受ける。
「こいつアウトォォオオ!!!」
そんな叫びが教団中に響き渡るのに、時間はかからなかった。
*前 | 次#