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「ふわあ〜…」
「遅い」
「おわあっ!?」


支度を終え眠い目を擦りながらドアを開けると、不機嫌そうに腕を組みながら壁に背を預けるアレンの姿がありました。




「ごめんね、約束してたんだっけ?」
「してないですけど」
「え、じゃあなに私のストーカーってこと?」
「弁えろブス」
「そんな言い方しなくてもいいでしょー!?」
「ブスは否定しないんですか…」


食堂に向かい歩きながら繰り広げられる言い合い。アレンはほんとに私に対してひどすぎる。そんな真っ正面からブスとか言わなくてもいいじゃん!


「だいたいなんで待ってくれてたの?先に行って全然よかったのに」
「…知らない人に囲まれながらゆっくり食事なんてリサは出来ないだろうなと思って」
「え?」
「余計なお世話でした?」
「ううん全然!…私のために待っててくれた、ってこと?」
「それ以外に聞こえましたか」
「…聞こえない」
「じゃあそうなんじゃないですか多分」
「なんで急に他人事なの!」


ドア開けた時はほんとにびっくりしたけど、私のためにいてくれたんだ…。私のことを思ってのことだとわかった途端、ブスだのなんだの言われたことなんてどうでもよくなってしまった。
そうこうしてるうちに食堂に着いた。料理長のジェリーさんに挨拶してアレンが注文すると、彼(彼女?)は度肝を抜かれていた。そりゃこんだけ食べる人類が存在するなんて夢にも思わなかったでしょうね…。これから毎食この量を作るジェリーさんに同情しながら私もサラダを注文すると、向こうのテーブルの方から怒鳴り声が響いた。


「なにごと…?」


一気に静まり返る食堂。トラブルの中心に目を向ければ大柄な男の人と、昨日一悶着あった神田がもめていた。何やらファインダーの人が亡くなって、それを神田が煽ったみたい、だけど…。


「ストップ」


いつの間にやらそちらに移動していたアレンが、神田とファインダーの間に割って入った。うわあ、ただでさえ仲悪いのに…!気付けば私の足も動き、私もアレンと神田の間に割って入る。


「二人とも、ちょっと落ち着いて…」
「うるせェな」
「リサは下がっててください」
「下がるか!ほっといたらあんたら乱闘始めるでしょうが!」
「いってェなテメ何しやがる!!」
「いだだだだだだっ!何してんですかはったおしますよブス!!」
「うっさい!」


思いっきり耳を引っ張ってやれば、二人は突然のことに驚きながらも痛みを訴えた。痛くしてるんだから当然だ。ちょっとは頭冷やせバカ。

シリアスな揉め事から三つ巴のバトルに転換したこの喧嘩を制したのは、リーバー班長の一声だった。アレンと神田を、コムイさんが呼んでいるらしい。まあコムイさんがエクソシストを呼び出すといったら、それはおそらく任務。アレンは注文したバケモノ料理を10分で平らげ、急ぎ足で司令室へ向かった。


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