まず思ったのは、ああこの子バカなんだなってこと。
家まで迎えに行ってみれば、律儀に外で待っていたなまえ。可愛らしいその服装も俺のためかと思うと愛しさが込み上げてくるが、そのスカートから覗く白い脚だけはどうしても頂けなかった。
もちろん脚が悪いんじゃない。脚を出してることが問題なんだ。これから男の家に行くってのに、それは無防備すぎるだろう。しかし、基本的に無愛想な彼女が俺の姿を見た途端嬉しそうな表情を浮かべるのだから、着替えろなんて言うことも出来ず。そのまま俺の家まで向かい、覚悟を決めて玄関を開けた。

「お邪魔、します」
「ん、ドーゾ」

先程まではいつも通りだったのに急に畏まる辺り、どうやら緊張しているらしい。普段強がってはいるもののなまえも普通の女の子で、それを改めて感じさせられきゅんと胸が疼いた。
脱いだ靴をいちいち屈んで揃える辺り、なまえの育ちの良さが窺える。が、それよりも気になるのはなまえの晒された脚だった。立ち上がる際にふわりと揺れるスカートが、なんというか、目に毒だ。や、いい意味でだけど。夏だというのに全く日焼けをしてない白いそれが、俺の中の何かを掻き立てる。
実際、スカート自体はそこまで短いわけじゃない。制服と同じかそれより長いかくらい。けれど、それで自宅に来られるとなると、やはり状況は変わってくる。外で見た時よりも家にいる今の方が短く見えるこの錯覚はどうしたものか。適当に話しつつ廊下を進むが、実際そのことしか頭にない。ぶっちゃけ、めちゃくちゃエロい。
が、脚を抜きにして考えても、今日のなまえの格好は本当に可愛かった。スカートも、トップスも、何より俺のために必死になって何を着るか悩んでくれたであろう事実が、何とも愛らしかった。

「今日、可愛いっスね」
「っ、るさいな!」

自然と口から溢れた言葉。それに対してまた照れ隠しをする彼女に、抱き締めたい衝動に駆られる。いつも通り反抗心剥き出しな彼女に振り向いてみれば、顔を真っ赤にさせながら視線を逸らしていた。その姿に、俺の理性はあっさり崩れ落ちる。

「照れるとこも可愛いっス。けど」
「え」
「一人暮らしの男の家に、ミニスカート履いてきちゃダメっしょ」

なまえを壁際に追いやり、誘うような白い太股に手を這わす。あー、めっちゃ柔らけえし。足を閉じようとするなまえよりも早く膝を差し込み、ねっとりと内腿を撫で回す。えっろい顔しやがって、これで処女とか信じらんねえ。なまえはもう限界のようで、どんどん目が潤んでくる。だから何度も言うけど涙目になるのは逆効果です。

「や、めっ」
「あれ、もう感じちゃった?触ってるだけなのに」
「ふっ、あ、やだっ」

やだ、と言いつつも鼻から抜けるような声を出すなまえに、全身がぞくりと疼くのがわかる。実際、余裕がないのは俺も一緒だ。好きな子のこんな姿見て、反応しないわけないっしょ。なまえを掻き抱いて、めちゃくちゃにしたい衝動に駆られる。
そんな中なまえは、小さく声を出しつつもしっかりと俺の腕を掴んだ。首を必死に横に振って、俺にやめるよう懇願する。あー、この子わかっててやってんスかね?自分の行為がいちいち俺を煽っているという自覚を早く持ってもらいたいものだ。

「…もー、しょうがないっスね」
「、黄瀬…?」

内腿から手を退け、足も解放する。途端に涙を溢す辺り、本当にいっぱいいっぱいだったんだろう。その涙をそっと拭って、なまえが安心出来るよう笑顔を向ける。堰を切ったように次々溢れてくる涙は、おそらく安堵からだろう。

「ごめんごめん、もうしないから、落ち着いて」
「…ば、かっ」

あーもう、めっちゃ可愛い。唇を奪いたい衝動に駆られるが、今は彼女を落ち着かせることが先決だ。
なまえは俺と違って、何もかもが初めての体験だ。俺はゆっくりゆっくり、彼女のペースに合わせてやらなければならないのだろう。それを苦ではないと感じるのだから、恋とは本当にすごいものだ。なまえの頭を優しく撫でて、涙で濡れた目尻にそっとキスを落とす。

「出来るだけなまえのペースに合わせるから」

何度もこくこくと頷くなまえが本当に愛しくて、好きだなあ、なんて改めて思う。…ま、出来るだけというだけであって、いつまでもつか保障出来ねっスけど。ぽろぽろ涙を溢すなまえを繰り返し撫でながら、そんなことを考えた。

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