「モテないくせに…」
「よしてめー表出ろ」

バカにしたように吹き出す白龍くんに怒るアリババ。そして、それをなんとも言えない表情で見詰めるモルジアナ。…なにがモテないだ、ばか。
アリババはヘタレでアホで女好きで、確かにモテないなんて言われてる。けど、それが事実かといえば、そうとは言い切れない部分がある。例えば、モルジアナ。アホな男組は全然気付いてないけれど、女の子同士なら嫌でもわかってしまう。モルジアナがアリババを見る目が、アラジンや白龍くんを見る目とは違うということくらい。モルジアナは生い立ちからしてきっと初めての恋だろうし、本人は自覚してるのか微妙なところではあるけれど。

「モテなくて悪いかコノヤロー!俺だって気にしてんだよ!」
「そういうところが既にモテない要因なんですよ…ぷっ」
「てめー許さねーぞ白龍コラァ!」

ああもう、うるさい。アリババがうるさいなんていつものことなのに、何故こんなに不快に感じるのか。そんなの、答えは決まってるじゃないか。

「…、好きだっつーの」

ぼそりと溢した小さな声は、誰の耳にも届くことなく消えていった。私の彼への恋心も、きっとこうして消滅しなくてはいけないのだろう。自分の気持ちを押し通して仲間を傷つけるくらいなら、この想いを圧し殺すことを私は選ぶ。報われないこの気持ちは、いつになったら私を解放してくれるのだろう。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -