最近は結構お休みをもらってばかりだったから、しばらくは仕事漬けの日々になりそうです。大変だけど仕方ない。とりあえず今日は朝からずっと見廻りしてます。


「あら、寿乃ちゃん?」
「寿乃!久しぶりネ!」
「お妙さん!神楽ちゃん!」


歩いて見廻りをしていると、買い物中のお妙さんと神楽ちゃんに遭遇した。神楽ちゃん私を見かけた途端飛びついてきてめちゃくちゃかわいいどうしよう。


「二人で買い物って珍しいね?」
「今晩は男共にアネゴが引導…手料理を振る舞うことになったアル」
「そうなのよ、だから夕食の買い物してるの。普段なら簡単に済ましちゃうんだけどみんなに振る舞うとなるとそうもいかないでしょ?」


引導って言ったよね確実に死後の世界に導く気満々だよね。お妙さんの料理に関しては私もいつか卵焼き(だったはずのダークマター)を見せられたことがあるのであまり深くは触れないでおく。男共って銀さんと新八くんとかかな?生還出来るといいけど…。


「そういう寿乃ちゃんは一人でお仕事?」
「いや総悟もいたはずなんですけどね…気付いたら消えてて」
「またサボりアルかあのサド」
「まあ、総悟もやる時はやるから…多分」
「やる時が来なきゃやらないような男と一緒に仕事なんて御免ネ」
「あなたんとこの社長さんもそのタイプだけどね」
「でもなんだかんだで一緒にいるんだからやっぱり大好きなのねえ」
「ちょっとお妙さんいきなりそういう方向もっていきます?」
「寿乃も物好きアルな。あんなクソサド天地がひっくり返ってもお断りヨ」
「いや神楽ちゃんがライバルじゃ勝てる気しないからありがたいです」


明るくて可愛くて総悟ともなんだかんだで仲良しだし、もし神楽ちゃんが本気で総悟狙いだしたら勝ち目ないもんなあ。ていうか神楽ちゃんどうこうの前に、私は総悟に好きになってもらえるんだろうか…。


「なに言ってるアルか。サドに寿乃はもったいないネ」
「逆だろ殺すぞクソチャイナ」
「え」
「おいブス、なにサボってやがんでィ」
「いやそれこっちのセリフ!」


突然背後から声がして、振り返れば団子をむしゃむしゃしながら佇む総悟。いやいやあんたなにしてんだ!


「そもそもこんなブサイクもらってやる気なんざさらさらねーよボランティアもいいとこだぜ」
「素直じゃないアルなー」
「どーいう意味でィ」
「そのままの意味ネ」
「……なに勘違いしてるのか知らねーけどな、俺ァ寿乃も、他の女も貰う気はねえぜ」


総悟は冷たい表情でそう言うと、くるりと踵を返してまたどこかに消えてしまった。
私はこんなところで、公開失恋をしてしまったのだ。

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テーマ「人外ファンタジー」
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