今日は真選組総出で護衛の任務に就いている。このへんじゃ相当有名なボンボン(私は知らないけど)の西園寺家のご子息が、新当主として初めての大きな取引を行うんだとか。結構な力を持つ天人との取引だから、何かあっては困るということで護衛を頼まれたんだけど…。


(こんなに人数いらないと思うけどなあ…)


なんせ真選組オールスターズが揃ってるわけだから、とにかく大所帯。かえって悪目立ちしてるし、これって逆効果なんじゃないかなあ…。
先日松平さんがウチにいらしてたのはこの件についての話だったようで、なんでも相当な依頼金を出されたので何がなんでも全身全霊で護衛しろとのこと。


「ちったァやる気出せブス」
「いや隊長にだけは言われたくないです」


こんなことしてる暇あったら溜まってた洗濯やっちゃいたかったな、なんて思いながら歩いていると、私なんかより遥かにやる気なさそうな総悟が声をかけてきた。いやいやあんたもやる気出せよ仮にも隊長だろ。


「俺ァやる気満々でィ」
「そんな気だるげなやる気満々初めて見ました」
「オメーこそかったるそうな顔してんじゃねーか早く帰りてェって顔に書いてあんぜ」
「違います私は早く屯所に戻って洗濯したいなーって考えてただけですー」
「帰りてェことには違ェねーじゃねーか」
「オメーら二人共やる気出せェェェェェ!!」


総悟とダラダラ喋りながら歩いていると前を歩くマヨ方さんに怒鳴られてしまった。いやしかしやる気出せと言われましても。いまいち気合いも入らないしなんだかなーと思いながら歩いていると、依頼人である西園寺さんが私を見て口を開いた。


「こんな依頼そりゃやる気も出ないですよね、すみません」
「あ、いえそんな!すみませんこちらこそ」
「護衛なんてつけなくて大丈夫だと言ったんですがね…父が勝手に依頼してしまったようで」


依頼したのはお父さんだったのか…。こんな集団じゃ西園寺さんも動きにくいだろうに。なんだか可哀相になってきた。よし、ちゃんと護衛しよ。


「それにしても、女性隊士はあなた一人なんですか?他に見当たりませんが」
「あ、はい」
「そうなんですか…大変ですね」
「大丈夫ですぜ。コイツ女と猿の中間くらいを生きてる生物なんで」
「どういう意味!てかせめて男にしろよなんで猿!」
「いちいちキーキーうるせえからでィこの猿女」
「ムキーッ!」


なんか、齊藤さん騒動が収まって以来総悟が辛辣なんですけど!最近ずっと優しかったからなかなかこたえるんですけど!
その日は一日総悟に罵倒され続けました。私が何したっていうんだ。

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