『なに、これ…?』

言われた場所に着いた途端、私は言葉を失った。


目の前には血の海。
動かなくなっている見慣れた人達。

『みん、な…』

その瞬間後ろで大きな音がした!

「オマエも、クッテやる!」

『お前がやったのかっ!…天に羽ばたけ!天竺!!』

斬魄刀を始解して構えた時、腹部に痛みを感じた。

『っ、え…?』

なんで?
虚は前に居るのに、もしかして複数居るの?

脇腹を抑えて瞬歩で移動してもう一度構えると虚が笑った。

「ワカラナイのか?やっぱりオマエもあいつらと同じバカな死神ダ!」

感覚を研ぎ澄ませて目を閉じる。

どこ、どこから来るんだ…?

そう思った時、足元が小さく揺れた気がした。

『…そこか!』

足元を刺すと長い触手のような物が切れた。

「グアッ!」
『お前、地面の中で脚を動かしていたんだな!』

「ふん!ワカッタ所でそのキズ、オマエはオワリだ!」

脇腹からは血が止まらない、このままじゃまずい…!
あと一撃で、決めないと…!!

そう思って私は虚に突っ込んだ。

「ハハハッ!わざわざ死ににキタノカ!」
『…っ!』


後ろから触手が肩に刺さる。
刺さった瞬間、その触手に斬魄刀を突き立てた。

『一ノ姿、石化塔岩(セッカトウガン)』

「なっ!!…ナンダ!!」

『残念だな…身体とつながる触手だと私に言ったのが間違いだ』
「く、クソッ…!」
『仲間を傷つけた罪を、償え…』
「ぐぁぁぁあ!」


触手がどんどん石になっていき繋がっていた虚自体も一瞬で固まった。

やった…!
でも、私の身体を貫通して石化してるから動けない。

『まぁ、元々、動けないから…ね』

私死ぬのかな…?
最後に修兵に、好きって伝えとけば良かったよ…。

『まぁ、修兵が、幸せなら…』

私はそこで意識を失った。


沈んでいる意識の中で誰かに呼ばれてる声と、温もりを感じた気がした。


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