六番隊で隊長、副隊長ともに不在の中、部屋で一人執務をこなしていると、急に扉が勢いよく開いた。


「名前ー!」

『あぁ、修兵じゃん。どうしたの?』


幼なじみである修兵に急に声をかけられて驚きながらも答えると修兵は、にかっと笑った。

この顔、ツボなんだよなぁー…私。

ずっと前から好きなんだけど、フラれてこの関係を壊すのが怖いから言えずにいる…。

「聞いてるか?」

『…ん?あぁ!ごめん!なんだっけ?』

「だから!今日、晩飯食いに行かねぇか!って言ってんだよ!」

『あぁ今日ね!あぁー…ごめん、今日恋次副隊長に奢ってもらうんだよねー』

へらりと笑って答えると、修兵は少しムッとした表情を浮かべた。

「二人でかよ」

『そうだけど?』

「仲良いじゃねぇか」

『同じ隊だからね、って何怒ってんの?』

「怒ってねぇよ!」

急に声を荒げる修兵に固まっていると、修兵はハッとした顔をして小さな声で謝った。

「…悪い」

『いや…良いけど…』

「じゃあまたな」

『あ、ちょっと!』


バタン!と扉を閉めて出て行く修兵に、意味が分からなくてどうする事も出来ないでいると、恋次副隊長が入ってきた。

「どうした?ぼんやりして」

『いや…良く分からないけど修兵に怒られたみたいで…』

今までの流れを説明すると、恋次副隊長は苦笑いを浮かべた。

「はは…俺も怒られそうだな」

『へ?』

「いや、なんでもねぇ!俺は今日じゃなくても良いから今日は修兵さんとメシ行って来いよ」

『うーん…良いですか?』

優しく笑って頷いてくれる恋次副隊長に御礼を言ってから、私は部屋を出た。





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