ただまっすぐ、



『日番谷隊長ー』


執務中、私が呼ぶとちらりともこちらを見る様子もなく隊長の返事が聞こえた。


「…なんだ、名前」

『……この書類に名前書いてください』

「…あぁ、分かった」

それだけ言って片手だけをこっちに向ける隊長。

『隊長ー』

「…なんだ」

相変わらずこちらさえ見ずにさらりと言う隊長に、私はさらに続けた。


『あのー』

「…」

返事もしてくれなくなったじゃん。
ひどくない?
そう思った私はムッとして言った。


『隊長ー!』

「!」

いきなり大声で呼んでみると、驚いた表情を浮かべて私を見た。

「何だ?」

『…』

「名前?」

『…』

「おい、名前…大丈夫か?」

『……ここにもサインをください』


怪訝そうに私を見る隊長はこちらを見たままゆっくりと手を差しだした。

「何かあったのか?」

『…いぇ、私六番隊に書類届けに行ってきます』

「あ、おい!」

立ち上がってパタパタと部屋を出て扉の前で私は小さく笑った。



ただまっすぐ君の瞳を。




「何だったんだ?」

日番谷は首を傾げてから書類にまた視線を落とした。




なんだ…これ?(笑)
ただ主人公ちゃんはただあの綺麗な瞳を見つめたかったんですねー!


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