前を歩く小さな少年の肩をポスッと叩くと、少年はムスッとした表情を浮かべてこちらを見た。

『日番谷ー!そんな顔しないのー』

私がけらけらと笑いながらひらひらと手を振ると、呆れた顔でため息をつく。


「名字、俺は日番谷じゃない、日番谷隊長だ。」
『まぁまぁ、堅い事言わないのー』

十番隊の隊長日番谷と六番隊三席の私は同期だったりする。

昔は仲良しで名前で呼び合っていたのにいつの間にか彼は、背には似合わず大人になってしまった。

全く下の名前なんて呼んでくれないし、会えばいつも呆れた顔をされてたりする。
まぁそんな風になってから私も日番谷と呼ぶようになった。

迷惑だと思われたくないし、好きだから嫌われたくないから…。


「で、何の用だ」
『用がなかったら呼んじゃいけないの?』
「…まぁ、そんな訳じゃないが」
『ははっ、ごめんごめん。無理しなくて良いよ、ただ通りかかったから声かけただけだよ』

困った表情を浮かべた日番谷。
付き合いはわりと長いから表情でなんとなく困ってるのが分かる。

『じゃあ私、恋次と朽木隊長に呼ばれてるからー』
「あ、あぁ」
『じゃあ日番谷も頑張ってねー』

もう一度肩を叩いて笑いながら歩き出すと、日番谷は小さく返事をしていた。


日番谷は雛森副隊長が好きなんだろうなぁと思う。
だって話してて楽しそうだから。

『失恋するって分かってるから言えないんだよなぁー…』

そんな事をブツブツ言いながら執務室の扉を叩いた。


『名字ですー、入りまぁす』

入ると私のテンションとは明らかに違ってバタバタしている隊長と副隊長。

『…何かあったんですか?』
「名字、琉魂街で虚の気配が感じられた。数などは分からない、兄には恋次と共にそこに向かって欲しい」
「名前!でかい霊圧感じたから急いで行けとの事だ!」

『分かりました!恋次、行こう!』


私と恋次は急いで六番隊を出発した。



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