私と侍男(?)と違和感

「…やべぇ、ここどこだし」


人気のない通り道で1人。
なんか今日は気分がのらなく、途中で早退してきたのがことの始まりだ。
うちはなんなのかよくわからないが、たまにこうしてふらふらとどこかに行ってしまう。もちろん無意識すぎてなんでこんなところに来ようと思ったのか、なんてわからない。意識しないで歩いて迷っているのだから当たり前だ。


「っかしーなぁ…最近全くしなくなったのに。」

「Ah…これじゃショッピングどころじゃねぇなぁ」


ふいに後方から声が聞こえてくる。はて、と思いそちらを向けば全くこちらを見ていなく、手に持っている紙をガン見している男――もとい、政宗を発見した。


「(いやいやいやなんであいつこんなところにいんのー!?)」


エコバッグを持って手元に持っている紙をじっと眺めキョロキョロしている男。
どっからどうみても政宗だ。あの微妙に英語っぽい喋り方とか完璧すぎる。
どうしてあいつがここにいるんだ。と先に思ったのだがとりあえずあいつも道に迷っているようだ。1人でいるよりは、2人の方が効率がいい。…のかもしれない。

とりあえず、呼び止めよう。
そう思い今だこちらを見ない政宗に近づいた。


「ルー語マスター政宗少年」

「っ誰がルー語マスターだっ!!…って、Ah?夕露?」

「一体何そんなとこでたたずんでんのさ。いや、迷ったんだろうけど。」

「ま、迷ってねぇよ!別に迷ってねぇからな!」

「(ツンデレ?)いやいやそんな隠すなよ。うちも迷子だし。」

「だから別に迷子じゃね――ん?迷子?」

「おう。迷子。」


きっぱり言い切れば、目の前の政宗は少し訝しげな顔をした。
一体どうしたんだろうとか思いつつもうちも少し疑問をもつ。はて、政宗はルー語マスターの意味を理解していただろうか?答えは否、教えた覚えはないのだ。


「…お前、本当に夕露か?」

「…きみ、本当に政宗かい?」


…なにやらまた一騒動おこりそうだ。
つい最近起こったばっかりなのに、簡便してほしい。

きっと相手も似たようなことを思っているだろうなと思いながらうちらは近くの喫茶店へと足を進めた。



私と侍男(?)と違和感
(オレンジジュースとピザとサラダ)
(コーラとピザとポテト)
(…アメリカンですね)
(お前こそバランスはねーのか)