私と交流とおやつ

「きゃー超イケメン!希有にぃの服着ててもかっこいい感じがする!」

「朝陽ちゃんそれ酷くない!?」

「それだけきみにセンスが無いということなのだよ。理解したまえ。」

「…月夜ちゃんまで…!俺に味方がいない!」

「だって兄者センスねーじゃん」

「…まぁ、俺の好みじゃあ…ねぇな」

「………お前服返せ」


涙目になっている兄に少しばかりの罪悪感、というか同情が芽生える。可哀想に、と。
今日は学校だったのだが面倒なんでさぼるといううまを2人にメールで伝えたらなぜか2人共家にやってきたわけだ。本当になんでそうゆうことに行き立ったのかはわからない。2人共なんとなくさぼってなんとなくうちの家にきただけみたいだし。
まぁそしたらうちがトイレにいて兄が飯作ってて母は仕事で父は寝てて、チャイムが鳴ったとき丁度手が空いていたのは政宗少年だけだった。

そしてトイレから出てからその事態を知ったうちは2人に問い詰められ、とりあえず全部喋ってみたら「まるで漫画のようだ」という一言で納得されてしまった。
いや、お前等少しは疑えよ。


「うわぁ、とりあえず一緒に写真撮りましょう。夕露、撮って!撮って!」

「?写真?」

「なんも気にすんな。はーい撮るよー。」

「ほら!笑顔で!」

「はぁ?」

「いたすいちはー?」

「田んぼの田!」

「月夜一旦黙ろうか」


とりあえず戸惑っている政宗少年を収めておくのもいいだろうと思い一枚。フラッシュとか設定してないし基本うちデジカメってボイスオフにしてるからなんの音もならず写真が撮れた。

…おお、とりあえず無事一枚目は撮れたらしい。

政宗少年に見せたらやっぱ驚いてた。朝陽は喜んでた。月夜は僕も撮りたまえとかいって朝陽と政宗の間にむりくり入っていった。とりあえず撮っておいた。


「…箱ん中に俺がいやがる…」

「文明の利器の力さ」

「昔は魂を吸われるとか言われて恐れられてたんだけどね。戦国時代ではまだなかったよね?」

「どうやってこりゃあ映してるんだ?」

「…カメラの仕組みって光を反射してどうのこうのっつーのじゃなかったっけ」

「ああうん、外見はどう違えど三つの要素があれば写真になるよ。まぁどれか一つでもかけてると撮れるけど写真にはならないけどね。
・光を集めて像をつくる部品=レンズ
・光を感じ取って記録する部品=感光材料(フィルムやセンサ)
・感光材料に光を当てる時に開く部品=シャッター
この三つだね。」

「…さっきまでイケメンイケメン騒いでいたのが嘘のようだ。」

「なにそれ失礼」


あたしはいつでもまじめっ子ちゃんなんだからね!と叫んでいる朝陽にああはいはいとそれとなく返事をしておく。放置しておくと拗ねるし褒めてやると調子に乗るからこのくらいが丁度いいのだ。不満はあるようだが納得してくれる。


「…そういえばさ、夕露?学校行ってる間政宗君は放置でいいの?」

「放置とか可哀相な言い方すんなよ。独り寂しくお留守番させておくんだ。」

「そっちのが可哀相じゃね?」


的確なつっこみをありがとう。これでつっこまれなかったらうち泣くところだったよ。どうやらルー語マスター政宗少年はちゃんと常識人らしい。というかつっこみ属性らしい。
またボケ属性が増えたら胃薬がいくらあっても足りないところだった。


「まぁ大人なんだし留守番くらいできるでしょ。大人なんだし。」

「お前実は俺のこと嫌いか?」

「いいや?大人は大好きだよ。一緒にいれば金を払わずにすむしね。」

「Ha!残念だったな!俺は金なんて持ってねぇぜ!」

「おい政宗少年。それ威張って言えることじゃないかな」

「月夜は金のためなら身まで投げ捨てそうだね」

「僕は自分の身まで投げ捨てることはしないよ。いかに自分の身を傷つけず金を増やすかというのは考えているけどね。」

「The.外道」


黙れ非道。という言葉を受けながらもスルーする。否定をしないのはなんでだか理解してくれ。てか外道と非道ってどっちのほうが酷いんだろうか?どうでもいいか。

それから兄の作ったおやつを皆で取り合いになりながら仲良く食べた。
政宗大人気ないとか言ったっけ早いもの勝ちに決まってんだろ!と元気よく答えられた

あ、こいつ親父タイプだ。



私と交流とおやつ
(やべぇなんだこれ超うめぇ…!)
(希有にぃ、また腕上げた?)
(お前らの要望という名の我侭が多くてな。)
(Ok,つまり僕らのおかげということだね?)
(早く彼女作れよ)
(余計な世話じゃ!)