09

「あ、沢田君じゃん!なにしてんのこんなところで?」

「あ、本当だー綱吉クンよい子はもう帰る時間だよー!」

「というかお前ら一体何しているんだ?」

「…え、えぇぇーー!そっちこそなんでいるの!?1人足りないけど!」

「なんでって…」

「「「買い物?」」」

「またこのパターンかよお前ら!いい加減果たすぞ!!」

「ちょ、まぁまぁ落ち着けって獄寺!」


ハロー!こんばんはに差し掛かってるお時間ですよ!夕方だもんね!
そんな夕方になんで出歩いてるんだというと、まぁ黒曜の方でまたセールやっててその帰りなんだけどね。

佐助の広告確認は隣町にだけ収まりきらない。下手すれば自力で駅2つ超えた先までいくからね。まぁ忍だからできて当然だけどさ!


と、まぁそんな感じでいつも通りの買い物を済ませた後歩いて家に帰っているとまたも見つけたいつもの三人組+α。
3人ってよく1人だけハブにされるのによくバランス保ってられるよね。そこは素直に尊敬する。

今にもダイナマイトを投げてきそうな忠犬を見て、佐助は「トイレットペーパーの芯でよくああゆうの作ったよねー」と微笑ましそうに見ている。あれが本物だと知っていてのこのセリフだ。


「…で、沢田。あれはお前等の知り合いか?」


収集がつかなくなるまえに素早く会話を吹っかけるかすが。
そのかすががあれ、と顎で示した先には、普段普通に生活していれば絶対に見ることがないような黒服の男がずらりと並んでいた。


「え?!いや、まぁ…知り合いというか…敵というか……。」

「親戚?あれ、でもあの銀髪さんどっかで見たような…」

「誰があんなやつらと10代目が親戚だ!違いますよね、10代目!!」

「えぇ!?あいや違う、違うよ!親戚じゃないと思うよ!たぶん!」


一生懸命否定する沢田君を見つつ、黒服の彼等に視線を向ける。
銀髪は僕らに気づいていないようだ。いいのか暗殺者。それでいいのか。


まぁ僕らはあくまでも沢田君のクラスメイトでオトモダチ。
それ以上にもそれ以下にもなる気はない、というかなれない。

だから僕らの異常がバレても困るだけなので、ここはさっさと見捨てて退散することにしようと思います。


「…まぁ、いい意味でのオトモダチじゃなさそうなのはわかったよ」

「友達にいい意味もわるい意味もあるのかな…」

「深く考えない深く考えない。」

「沢田、よく知らないが頑張れ。無理するなよ。」

「えぇ!?皆もうどっか行くの!?いや行ってくれていいんだけど…いやでも!」

「いや、だって冷凍物溶けちゃうから。」

「すまないな沢田」

「じゃ、あとは頑張ってね沢田君!」


そちらの黒服集団の人もさよなら!

と声をかけて手を振る。凄いね彼等、暗殺部隊の癖に黙って見過ごしてくれたよ!さすが生ぬるい現世の暗殺者だこと、と少しばかり馬鹿にした笑みを口元に浮かべながら、僕らはおうちに帰りましたとさ。




黒服集団とクラスメイト
(え?小太郎どこだって?)
(あぁ、小太郎なら“ふうきいいんちょう”のお手伝いだよ)
(だから今日の買出しは3人なのである!)

(…夕露、誰に説明してるの?)