何がしたかったんだっけ?

と、いうわけでまた船でゲロゲロになりつつ馬でゲロゲロになりつつ、もう貴様歩けとまで毛利に言われてしまう始末にまで至ったがなんとか大阪城へついた。


「…でかってかくらっ」

「貴様、1人でふらこらとどこかにいったらわかっておろうな…」

「……あんときは故意じゃねぇ、不慮の事故だ」


前に一度、こうやって毛利経路で他国の城に入ったことがある。どことは言わないでおこうと思う。まぁ、それで、なんとなく想像できてると思うが毛利のあとをついて歩いてたはずなのにどうしてか毛利がいつのまにか消えてて……んで、気づいたら兵士に追っかけまわされたという話。

あのときは毛利にも相手方にもご迷惑おかけしました…(遠い目)

まぁそんなわけで二度とそんなことを繰り返さないように毛利も俺に何度も何度もここにくる間にさっきのセリフを言われ続けてるわけだ。乗り物酔いもプラスされてあれはまさに地獄だったぜ…。のちのアニキは語る。みたいな。


それからまぁ少し時間をかけて、目的の部屋へとたどり着いた。
今度は逸れなかったぜ、野郎共!(アニキィーー!!)


「大谷、連れ参ったぞ」

「おぉそうかそうか。まぁ入りやれ」


相手の返事を聞く前にとっくに襖を開けて入っている毛利。…お前いいのかそれで。それでいいのかオオタニさん。誰も突っ込まないから言わないでおくとする。


「貴様が…西海の…」


ふらり。急に現れた男がそう呟く。うわぁ影に隠れて見えなかったぞてめぇ!てか銀髪+紫ってまたキャラ被ってんじゃねぇかよ!2度目のキャラ被りはごめんだばーろー!

ちくしょう!と内心で泣く。いや知ってたけど。知ってたんだけどこうも悉くキャラが被るのはアニキ許せないんです。鬼ってのも眼帯ってのもキャラ被ってて虚しいんです。はい。

唯一残された“アニキ”というキャラだけは守ってみせる!…あ、俺一応海賊設定もあったんだった。ごめん野郎共。


「おうよ!鬼が島の鬼たぁこの俺の…」

「貴様が、西海の………?」

「…ん?どうかしたか?」


人の決めセリフを遮ってまで何か言おうとしたモロ被り。うわなんか自分でいっててかなり自分が大人気なく感じてきた。もうモロ被りなんていうのやめよう。

俺を見ながら首を傾げる石田。あ、名前言っちまった…まぁいいか。石田はしばらく首を傾げ悩んだあと、大谷さんの方を向くととんでもないことを言い出した。


「おい刑部、西海の鬼は女ではなかったのか」

「…はぁ!?なんの話だよ!?」

「やれ三成、我は女とは言っておらぬ。それは美しい姫若子だったと言ったのよ」

「うおおおおその話を出すんじゃねえええ!毛利お前だな!」

「我知らぬ」

「お前ぇ!興味ねぇからって人様の家上がりこんですぐ餅食ってんな!」

「…刑部、こいつは真田のところの影か」

「オカンじゃねぇよ!?」


なんで俺こんなにツッコミしなきゃならねーの!?そしてなんで大谷さんはそんなに爆笑してるの!?もうアニキ苦労人!こんなに苦労してたとか知りたく無かったよアニキ!

それからしばらく大谷は爆笑し、毛利は餅を食い続け、石田は首を傾げていた…。




何がしたかったんだっけ?
(ああ、そうだ)
(同盟をくみにきたんだった)