「とおりゃんせとおりゃんせ、ここはどこの細道じゃ?天神様の細道じゃ。とおりゃんせとおりゃんせ……なに?佐助ちゃん?」
「いやぁ?ただよーくこんな血生臭いところで暢気に詩なんて歌えるねぇ」
「今更すぎだよ佐助ちゃん。僕は人を殺しながらご飯を食べれるんだぜ?というか大体僕等は人を殺しながらご飯とお酒を飲み食いできるじゃないか。」
「でもさ、昔はただ殺せばよかっただけじゃん?今はアートしていいわけだから昔より生臭いよ?」
「代わりに人の数が少ないじゃないか。っていうか終わった?こっちは血が足りないんだけど。」
「えーこっちも血足りないんだけど。やっぱ人数少ない弱小はだめだねぇ…」
「どうする?もう人いないよ。」
「ペンキじゃだめかな?…しまったペンキがない。」
「自分の血…じゃあだめだよね、っていうかまず僕が死ぬ。」
「うーん、とりあえずもうちょっと頑張ってみようか」
「時間ないから早くしたいんだけど、しかたないよねぇ」
手に持っている腕の断面を切り落としたりしながら、また壁に描く。うーん、インクが足りないなぁ。やっぱり。時間かかってしゃーないよこれじゃあ。
もともと僕等は面倒くさがり屋だけど、どちらかというと血がいっぱい吹き出る惨殺が好きなんだ。だから死体の血が足りなくなって文字の完成ができなくなることがしばしば、まぁどうにかこうにか切り抜けてるけどね。人攫って殺したりとかして。
「………よし、掠れまくりだけどこれなら大丈夫じゃないかな?」
「んーまぁ読めるし大丈夫じゃない?んじゃ、さっさと帰ろうか」
「そーだね。見つかると怒られるもんね。減給やだよね。」
「夕露は減給されないじゃん。俺様はされるけど。」
「その代わり僕には説教or残滅っていう究極の選択が待ってるんだけど。たまに両方。」
そんな感じで世間話じゃないけど、雑談しながら家に帰った。あ、家って今住んでるところね。城じゃないよ?
彼等のいた場所に残るのは、たった一つのメッセージだけ。
暇な時間の過ごし方
(今度はもっとちゃんと血でないよう頑張らなきゃね)
(そうだね。この会話もう何回目だろうね)
(覚えてない)
(俺様も)