05

「あれぇ?どうしたの、沢田君?」

「夕露ちゃん!」


寝坊しつつも学校へ向かう最中、重力を無視した髪形の沢田君と遭遇した。どうやら沢田君は凄く焦っているらしい。あれ、そういえば忠犬獄寺君がいないな。珍しいこと。


「こんなところぷらぷら歩いてると襲われちゃうよ?」

「あ、う、うん…ってそうじゃないんだ!つ、次狙われてるのが獄寺君なんだよ!」

「…え?」

「犯人は喧嘩ランキングの下位から順に襲ってるんだぞ」

「リボーン!」


どこからともなく現れた、スーツを着た二足歩行で歩いている赤ん坊。うわぁ、普通に考えてありえないでしょ。やっぱ呪われてるだけあるなぁ。

裏でそんなことを考えつつ表で赤ん坊?喧嘩ランキング?と普通に疑問に思うことを考える。器用でしょ?二つ考えられるんだよ!


「喧嘩…ランキング?へぇ、そんなのあるんだ!皆で喧嘩して決めるのかな?」

「あ、いや…うん。そう、そうなんだ!参加性で、夕露ちゃん達がくる前にやったんだよ!!」

「凄いねぇ。沢田君は何位だったの?」

「いや、俺弱いから参加しなかったんだ…ってそうじゃなくて!そ、それで次は3位の獄寺君が狙われてるんだ!夕露さん見てない?!」

「………見てはない、けど…さっき並盛中生が喧嘩してるって聞いたよ。」

「た、たぶんそれ獄寺君だ!それどこで聞いたの!?」

「あっちの方。行くの?」

「うん!ありがとう夕露ちゃん!」


ぱたぱたと走り去る沢田君。それについていくリボーン君。
手を振って見送りつつ、誰もいなくなった道端で、思ったことを呟いてみた。


「…喧嘩してるんだから、行ったら邪魔になると思うんだけどなぁ。」


さすがダメツナで有名なせいか、それともそれほど友達思いなのか…。
友達思いだとしたら、とんだ馬鹿だよねぇ。


「…ああでも、そんな馬鹿昔もいたかぁ…。」


小さく聞こえる爆発音を背に、学校へと向かうことにした。



今も昔も馬鹿は馬鹿
(いや、馬鹿者というよりは)
(バカ者か。まだ、な。)