「はじめましてこんにちは!親の都合で兄弟共々転校してきました!よろしくね!」
にっこり笑顔で言い切れば、拍手が鳴り響く。
黒髪黒目のどこからどう見ても日本人な彼女は先生の指定した席へとかけた。
「じゃ、1時間目は自習にするから。刃(やいば)と仲良くなれよー」
先生がそういいきるやいなや、生徒達が集まってくる。
いまどき転校生のための時間とか作るんだね。ちょっと予想外かな。
「ねぇ刃さん、兄弟って何人いるの?」
「前はどこいたのー?」
「俺篠崎ってんだ!ぜひ剣道部入ってくれよな!」
十人十色というべきか、定番な質問等が飛び交う。ううんそんなに一気に質問されても返せないんだけどなぁ、気づいてないのかな?まぁちゃんと内容は聞いてたから全部答えようと思う。僕っていい子!
「兄弟は僕を合わせて4人なんだ」
「前は隣町の黒曜にいたの」
「ううん…部活入れるかどうかわからないからまたね」
しばらくその状態で会話しつつも、目的の人は探している。なにしろまだ何の情報もないのだ。見た目も性格も、年齢は一応はわかっているけど確定はしていない。
だけど呪われた赤ん坊が家庭教師としてついているはずだから、きっとすぐに見つかる。
兄弟役である彼等はうまくやっているかだけ、気になったけどすぐにあいつらなら心配することでもないなと思い会話に没頭した。
▽△
「はじめましてー、刃佐助です☆」
仲良くしてねー♪と軽い調子でいう噂の転校生、刃君。
女子がきゃあきゃあと叫んでる。うん、俺から見てもかなりかっこいいと思うもん。今回ばかりは納得せざるえない。
黒髪黒目で、バンダナをしててどちらかというとチャライ系な刃君。
このクラスにいないタイプだと思った。
それと同時に、マフィア関係者っぽくなくてよかったと思った。
「(あ!京子ちゃ…ってめっちゃ笑ってるーーー!!)」
「なぁツナ!刃って面白そうなのな!」
「10代目の邪魔立てするやつは爆発します!」
「山本的ー!てか獄寺君やめてー!?」
「楽しそうだねぇ」
「楽しくなんかないよ!…って、え!?刃君!?」
「アハー気づくの遅すぎ。俺様の席ここなんだよねー」
そういって俺の斜め後ろに座っている刃君。き、気づかなかった…刃君がナチュナルに会話に混じってきたのにも気づかないで叫んじゃったよ…!
「俺山本武!こっちのが獄寺な!」
「てっめえこの野球馬鹿!勝手に紹介してんじゃねーよ!まずは10代目からだろーが!」
「ご、獄寺君大丈夫だから!ごめんね刃君…あ、俺沢田綱吉!」
「…綱吉だからつな、ね…綱吉クンってなんかの10代目なの?ヤクザとか?」
「あぁ!?てめぇ10代目をそんじょそこらのヤクザなんかと一緒にすんじゃねーぞ!このお方はなぁ、ボンゴレファミリー10代目…」
「あああああ!ボ、ボンゴレ!ボンゴレパスタファンクラブ10番目会長なんだ!」
あああ俺何言ってんだー!なんだボンゴレパスタファンクラブって!こんなバレバレの嘘通じるわけが…
「へー!随分好きなんだねーボンゴレパスタ!美味しいよねぇー」
通じたー!刃君意外にも山本タイプだー!
「あ、そうそう。俺のことは苗字じゃなくて名前で読んでくれない?他に3人いるからごっちゃになる」
「?兄弟かなんかか?」
「うん。双子の妹と兄姉がね。」
「へーいいなぁ。俺一人っ子だから羨ましいよ」
「うーん、あんまりいいもんでもないけどねー…」
そう言って遠い目をする刃く…じゃなかった。佐助君。さぞかし苦労しているに違いない。なんだか可哀相になってきてしまった。
「今度会わせてくれよな!」
「全然いいよー」
…リボーンに目をつけられたらごめんとは、言えなかった。
はろー転校生!
(佐助ちゃーん、お弁当忘れたー…?友達?)
(あれ妹。お弁当ならここ。)
(なんで持ってるのさ)
(お前がテーブルのうえに出しっぱで忘れてったからだよ。だから朝あれほど忘れ物はないかって…)
(佐助君が母さんと被る…!)