「残滅残滅残滅残滅残滅ううう!!」
「うわ超早い!一緒に出陣したのにもうこんなに差ついてる!!」
「ふははははこれが刹那高速移動を得た者の実力よ!」
「あ、夕露。通り過ぎてる。戻ってこーい」
「あれ?」
アタシの後ろでいつものよう…ってわけでもないけど、まぁまたばさらとか言うゲームをやっている2人。いや、それはいいのよ。いいんだけど…煩い。
はぁ全く、一応夜なんだから静かにしなさい。と言う意味を込めてビシッと言うことにした。
「もっと静かにやんなさい。セリフ聞こえないでしょうが」
「すまそ…ってマミーそれおいらのDVDじゃないかYO!」
「雲雀さんのセリフが聞こえねぇんだよ黙れてめぇら」
「「すいませんでした」」
口調を変えればすぐに謝る2人。凄いな、頭下げながらもコントローラー動かしてるよ。どこまでの執念だ。
ふう。と先ほどよりは少し静かになった2人を尻目にPCに向きかえる。ああうん雲雀さんかっこいいよ雲雀さん。孤高の浮雲ってどこまでかっこいい設定なんだ。
ヘッドホン装着で見ていると、またすぐに後ろから「うぼあぁあ!?」と変な奇声が聞こえてくる。舌打ちを隠しもしないでヘッドホンを外し一時停止をかけて後ろを振り向いた。
「あんたらさっき言った――――は?」
「………(チーン)」
「え、あ、え?あの、えええ??」
後ろを振り向けば先程とは幾分か変わっていたところがあった。一つ、夕露が死んでる。二つ、蓮蔵がうろたえている。三つ、夕露の上に黄色誰かが乗っている。四つ、蓮蔵が白色の誰かを持っている。計四つしか見つけられなかったが、これだけで十分だと思う。むしろ数分の間になにがあった。なにをしたんだお前等。
アタシがさすがの出来事に固まっていると、うろたえている蓮蔵でも絶賛死亡中の夕露でもなく、第三者の声がした。第三者、というか夕露の上に乗っている誰かが起きたのだ。
「いつつつ…、なんだぁ?一体。」
頭を抑えながら起き上がる。きっと夕露が絶賛死亡しているのは双方が頭を思いのままぶつけたのだろう。そしてさっさと起き上がったこの子は石頭、と…。どうでもいい情報ねこれ。
とりあえずかなり戸惑ってなにをしていいかわかっていない蓮蔵を退ける。とりあえず今は状況把握をしなきゃいけないのはわかっていた。なので邪魔な蓮蔵を退ける。いや本当に邪魔だったんだ。つかあんたそれ抱いたまんまか。いや邪魔だからいいんだけど。
「はいはいお兄さん、状況把握したいのもわかるけどとりあえず1回移動しようか。知らない人に見られたら誤解されるよ」
「ん?お前は…ってうわっ!す、すまん!!」
アタシのことを見た後に自分の下にいる夕露を見て、顔を赤くして飛びのく少年。どうやら少年は以外とウブなようだ。腹出してるくせにウブとはまた凄い。
「おーい夕露ー…だめか、落ちてりゃ。」
「え、えと…貴殿は、一体…」
「アタシは霧隠葵。ここはアタシ等の家。あんたは?」
「…、徳川家康だ」
「そ。んじゃそっちのも少年の友達?」
「そっち…?、!三成!!?」
「友達みたいねー、蓮蔵。その子大丈夫?」
「え、えぇ…あ、うん。大丈夫…だと、思う。」
「…なにその不安になる言い方。息してんのかしてねーのか聞いてんだよ」
「してるよ!してなかったら死んでるだろ!!」
「気絶してんのね、初めからそう言いなさい。…で、少年…家康君?家康君。
どうやら疑問がいっぱいらしいから、一緒に現状把握しようか。」
やってきた異端分子
(か、母ちゃんメンタル超つえー…)
(蓮蔵、夕露とその子寝かせてきな。おいといても邪魔だから。)
((邪魔!?))