こちら迷子センターです! (8/8)
迷子になったらとにかく闇雲に歩く。待ってても助けなんてこないからね、闇雲に歩き回って人に出会ったほうが楽なんだよ本当。
で、今回は迷いに迷ってドツボにはまって泣き出したところでお猿さん連れたポニテ風来坊さんに拾われましたとさ。俺様運いいね!
「ねぇねぇ、風来坊の旦那はどこ向かってるの?」
「ん?ちょっと友達のところにね!それよりお兄さんはこれからどうするんだい?」
「あー帰るに帰れないからしばらく一緒にいさせてもらおうかと」
「おっ!2人旅になるなぁ!」
「2人と1匹だねぇ」
「キキッ!」
風来坊の旦那の肩からお猿さんも主張するように鳴いている。大丈夫だよお猿さん、俺様は忘れてなかった。
それなりに人見知りするらしいお猿さんこと夢吉君は、少し風来坊の旦那と行動している間にさっさと警戒をといて俺様に懐いてくれました。なんやかんや言われつつもどうやら動物のお友達はいっぱいいるようです。(くろ君含めてね!)
▽△
「…ねえ風来坊の旦那ー、どこ向かってんの?」
「友達のところー」
「具体的な場所聞いてるんだけど俺様…」
「内緒!」
「えぇ…ずっと歩いてるよ、つくの?今日中につくのこれ?」
「んー…いや、無理だね」
「だろうと思ってた!俺様思ってた!ちょ、まだ山の中なんだけど野宿する気?!」
「え?普通だろ?」
「…あ、はい。まぁ普通なんだけどさ。」
…いやそうじゃなくて!俺様今日中にっ…は、無理だと才蔵も理解してるだろうけど、早く真田の旦那見つけて連れ帰らなきゃいけないんだってば!ゆっくりのんびり遊んでる暇ないの俺様!わかる!?いやわからないだろうけど言ってないし!!
ぐるぐると言いたい言葉が脳内を駆け巡るが、一応俺様が武田の忍だと言うことは隠しておかないといけないわけで。 だって仮にも、仮にも初対面だぜ?もしかしたら知ってそうだけど、もし本当に知らなかったら情報売るだけだし。だったら相手が言ってくるまでは自分もそこらへんの迷子さんやってますっての。
「もう少し暗くなったら準備するからがんばりなよ!」
「別に疲れてないからね!?」
そこまでひょろく見えんのかな、俺様…。
涙を浮かべながら両手を見つめていた佐助だが、風来坊である彼は先を歩いていて気付く様子はまったくもってなかった…。
こちら迷子センターです! (…風来坊の旦那、もしかしてあんた迷子とかないよね?) (…風来坊が方向音痴って本末転倒じゃね?) ((一応それなりに名の知れてる忍が方向音痴なんですけど…なんて言えない)そうだね…)
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