今度は泣かずに叫んでみます (6/8)






「佐助えええええ!」

「ギャアアアごめんなさあああい!…ってなんで俺様掃除しただけなのに怒られてんのー!?」


「…いやぁ、今日も平和ですねぇ。」

「はい、そうですねぇ。」


普段物静かな才蔵の怒鳴り声と、普段から煩い佐助の叫び声。普通ならかなり珍しいというか、普通なことではないのだが。ここではこれが平和と思えるぐらい定番と可しているのであった。


「っさすけえええええ!」

「ギャアアア真田の旦那もなんかキタアアアア!」


…そう、これが平和の証なのである。



▽△



「ううう…酷ぇよ才蔵も旦那も…俺様掃除しただけなのに…」


木の上で体育座りをして涙ぐむ佐助。彼の言うその掃除をしたことこそが彼等を怒らせたのだが、彼はそのことには全くといって気づいていなかった。


「しまいにゃどっか偵察行って来いだし…どっかってどこだし…」


もうなにこの扱い…俺様本気で転職しようかな…。そんなことを木の上で考えてるとふと気配が一つ。気配的に忍だろう。そしてなんとなく見知った気配。うわぁ、久々だなぁ。そんなことを考えながらその忍に殺気を送ってみた。

シュッ


「危なっ!?」


顔面はっ顔面は危ないよかすがっ…!しかもあれ本気だった!俺様だって気づいてたのに本気で目玉に向けて投げてきやがった!!お前一応忍道具だから毒塗ってあるんだろ!?掠ったら今の超やばかった…!


「チッ、当たらなかったか」

「ちょっとかすが酷いじゃん!今の超危なかったっての!」

「殺気を私に向けた貴様が悪い」

「でもお前完全に俺様だって気づいてたよね!?」

「なんのことだ?」

「うわあああん皆最近反抗期!お母さんはとても傷ついてます!」

「誰が母親だガキめ」


うわぁ酷い。俺様かすがより上か同年くらいだよね?それぬいたとしても年齢的にもうガキって年じゃないんだけど!
昔はっ昔はあんな泣きながら普通の人だとかいってくれたのにっ!俺様のために大泣きしてくれたのに!俺様のために真田の旦那殺してくるとまで言ってくれたのにっっ!

地面(というか木の上だから木なんだけど)を叩きながら叫べば、かすがは顔を真っ赤にして「そんなこと覚えていない!」と叫ぶ。ふふふかすが、顔真っ赤ってゆーことは覚えがあるということなのだよ!言わないけど!また苦無投げられたくないから言わないけどね!!



このあと暫くかすがと喋ってたら才蔵が向かえにきてくれました。
よかった。実はかすが無理矢理引き止めてたのって帰り道わからなかったからなんだよね!

この方向音痴だけはどんなに修行を積んでも絶対になおらないと思いました。



今度は泣かずに叫んでみます
(ねぇ才蔵。最近皆反抗期なのなんで?)
(自分の胸に聞いてみろ)