本気で転職を考えた (5/8)






はいはーい。こちら解説部隊隊長猿飛佐助でっす☆
…あ、ごめん才蔵。悪かった。謝るからそんな目で見ないで。俺様泣いちゃう!


「…てか才蔵、あれおかしくない?ただ槍と刀当たってるだけにしては爆発とかおきてるんだけど、人為的に災害を起こしちゃってるんだけど!」

「婆裟羅者が戦ったんだからあのくらい普通だろう」

「いや普通じゃないよ!なんだよあれピカドンかよ!お館様達のところまで凄い爆風飛ぶとかもうばかじゃないかとしか言えないから!」

「お前もいい加減なれろ」

「慣れてもつっこみ属性だから自然とつっこんじゃうの!」


爆発が巻き起こったり地面にヒビ入ったり下を方で川が反乱したみたくなっているのを見ながら思い出した。

…そういえば、火に雷…つまり電気ね。電気やると、爆発するんだったな…。

なぜか覚えている微妙な知識を思い出しながら、木の上で立ち上がる。大体このへんでいいだろうと思ったのさ。太陽?夕日?でてきてるからね。アニメもこのタイミングだった…はず。よく覚えてない。まぁ20年以上前の話だから当たり前だよね!
ぶっちゃけあの2人の間に入るの超怖いけど(だって旦那手が滑ったとか言って普通に攻撃してきそうだし…)猿飛佐助、ここは頑張っちゃうぜ!


シュバッと飛んで、ズバッと2人の間に降り立つ。別に鶴姫を意識したわけじゃない。本当に効果音にするとそんな感じなのだ。あと無事に真田の旦那に攻撃を食らわずに済んだ。まぁ、一応やり手の独眼竜と戦ったんだからね。疲れてるだろ?…少しくらい、疲れてても、いいと思うんだ。


「Shit、誰だてめぇ!」

「真田忍隊猿飛佐助ってね。俺様も野暮は好きじゃないんだけどさ、ここは引いてくれないかな?…うちの本体と上杉が手を組んでこちらに向かってる。ここまで言えばわかるだろ?」

「ハッタリかましてんじゃねぇ!敵の忍の言葉をはいそうですかと聞くやつが…」

「政宗様。ここは一度引かれるべきかと、」

「…小十郎」


…まぁなんか2人共納得してくれたようだ。
いい加減早くいなくなってくれないだろうか。ぶっちゃけ隣からの視線が酷く痛い。ん?これはいなくなってもらわない方がいいんでは…、てかさっきから才蔵に助け求める視線送ってんのにあいつ片手ひらひらさせてドンマイとか言ってきやがった。俺様の味方はどこにいる。

俺様達に背中を見せて去ってゆく伊達政宗――…だが、そんなのに気をとられている暇はなかった。


「…佐助。」

「(き、キタァ!?)は、はいー?なにかなー?旦那?」

「戦の邪魔立ては許さぬ…そう言ったよな?」

「え、あ、いや…だってあそこで止めなかったら死ぬまでやってたでしょ旦那!それに俺様一応お館様からの命が――」

「黙れ。途中で止められたせいで満喫できなかった…。」

「………(汗」


「…暇であろう?手合わせといこうではないか。…なぁ、佐助?」

「さ、さいぞー!さいぞおおおお!!」

「…はぁ。お茶がうまい…。」

「ってっめぇこんなところにお茶があるかっってんだあああアアアア無理無理無理旦那俺様無理だから…アッー!?」



……その後ボロボロで気絶している猿飛佐助を、「気合が足りぬわぁ!」と言ってぶん殴って起こしたという真田幸村…。

人々は語る。「紅蓮の鬼を見た。…可哀想な、橙色もいた。」…と。



本気で転職を考えた
(佐助ぇ!気合が足らぬ!減給だ!)
(才蔵俺様本気でここやめたいんだけど)
(ドンマイ)