僕の周りのお人達 (3/8)






はろーこんにちは、貴方の猿飛佐助でっす☆
アハー嘘嘘ごめん、ごめんってばちょ、まじごめんって言ってんじゃん謝ってるんだから許してよ!?うわ、ちょ、そんな目で見ないで!哀れみに満ちた目を向けないで!!

…ごほんっ。少し邪魔が入ったけど、まぁそんな感じで俺様こと猿飛佐助君でございます。この暮らしにももう完全になれました。今だゲームとかネットとか音楽とか漫画とかファーストフードとかファミレスとか糖分とか糖分とか糖分とかジュースとか忘れられないものはいっぱいあるけど。やべぇそんなこと言ってたらゲーム超したくなってきた。頑張れ俺様、妄想で乗り切るんだ俺様。むしろ毎日がゲームだろ俺様。生きるというゲームだろ。あれ?今の超名言っぽい。かっこよくない?めっちゃかっこよくなかった??あ、かっこよくなかった…。ごめんなさい…。


「おい佐助、何しているんだ」


縁側でのそのそしている俺様に声をかけてきた彼。彼は霧隠才蔵こと元才君である。若様が元服したときついでに俺様も呼び方を変えた。ずっと才君でもよかったんだけど才蔵が恥ずかしいだろうから変えたのだ。俺様偉い。


「あ、才蔵。日向ぼっこ中なう」


彼はかなり頼りになる男だ。むしろ俺様は彼がいないと今生きていないかもしれない。第一彼がいないと俺様家に帰ってこれないというか部屋に行きつけない。おかしいな、何年も住んでるんだけどな。作りが似てるのが悪いんだ!と責任転換してみる。


「…お前は相変わらず毎日が楽しそうだな」

「日向ぼっこだけでそこまで言われたの俺様始めてなんだけど。なんだその目。こっそりついてるつもりかもしれないけどため息聞こえてるかんな!」


彼はときに酷いやつだ。ちくしょう今度才蔵のお八つ食ってやる!
…なんて心の中でしか思えないんだけどね。だって本当にやったら俺様のお八つが抜きにされるし。それは簡便なのよ俺様も。だって糖分ないとか辛いキツイ。俺様根っからの甘党よ?この世界にいたとき最初に絶望したの糖分が無いことだったかんね。いやあるにはあるけど、あるのになかなか手に入らないというのが一番絶望できるとこだよね。ネットとかゲームとかは存在しないものだから割り切りつくけどさー、あるのに手に入らないってのがもうもどかしい!!


「ああそうだ長。幸村様が呼んでいた。早く行け」

「おうおうもうちょっと早く言おうか才蔵!あの人遅いとむっちゃ怖いんだからね!?才蔵だってわかってるよね!?おいこっち見ろよ!おい才蔵!!」

「早く行かなくていいのか、死ぬぞ」

「わかってるよ!今すぐ行くよ!ちくしょう絶対今度お前のお八つ食ってやるかんな!!」


まるで負け犬のような捨て台詞を吐いて俺様はその場を立ち去る。あわわわわなんか殺気というか禍々しいオーラが肌で感じられるよ!ちくしょう才蔵のばかあああ!怒られたらお前のせいだかんなあああああ!!



▽△



はい、案の定怒られた俺様です。理不尽だよね、今回俺様ちゃんとまっすぐ迷わずこれたのに。そのことはちゃんと褒められたんだけどさ。もうなに?才蔵が全部悪いんじゃん。俺様のせいじゃないよ、才蔵のせいだよ!そう主張すると「他人のせいにするとは何事だあああ!」とお館様からも怒られちゃうから言わないけどね。ああちくしょうこの黒属性め!このやろう!!


「なんか言ったか?佐助」

「いえなんにも。」


KOEEEEEEEEEE!なんだ?読心術か?エスパーなのか??ろくになんも考えらんないじゃん!もうやだ俺様泣きそう!!

さて、少し話題を変えるけどこの人は俺様の主の真田幸村。なんか知らないけど昌幸様が討たれた頃から腹が真っ黒になってしまったお方だ。なんでこんなに黒くなったのか、というかなぜに昌幸様が討たれた日からなのかよくわからない。たぶん若様も若様であったんだろうね。俺様のように。心情の整理がついた結果がアレなのか、つかなかった結果がアレなのかはわからないけどさ。


「あー、そういえば真田の旦那、一体なんの用だったの?」

「あぁ…。上杉との戦に備えよ、と。」

「ああそっか、もうすぐだもんね。了解。」


俺様としたことが日向ぼっこに夢中になりすぎてたよ。なんで日向ぼっこするまでにいったのかというと手伝おうとしたら全員から却下されたんだよね。んで不貞腐れて縁側で拗ねてたら丁度いい具合に日が照ってて…なんか思い出したら泣けてきた。忘れたままでもいい記憶だったね、これ。


「急に暗くなって、どうした?」

「いや、ちょっと悲しい現実を思い出してね…。とりあえずんじゃあ俺様行くわ。なんかあったら才蔵によろしく。」

「そのくらいわかっている。さっさと行け」

「人使い荒いっ!」


俺様は涙目でくろ君(鳥の名前である)を呼び出し、一緒に空を跳んだ。



僕の周りのお人達
(あ、お館様の紹介してねぇや…)
(…ま、いっか。)