武田家の日常 (2/8)






天気も良好、気温も上々。町は人の活気に満ち溢れ不穏な空気もない今は町だけでなく城内もほのぼのとした空気を醸し出している。


「いやー本当、
 いい洗濯日和だよね!」

「さすけえええええ!!!!!」


…ここ以外、は。




「いてぇ…なにも殴る必要ないのに…てかなんで俺様手伝ってあげたのに殴られてるの…!?」


殴られた頭をさすさすと撫でながら愚痴をこぼす。これが、この物語の主人公だとは到底考えたくも無い事実である。


「うーんなんでだろ、ただ洗濯しといただけなんだけどなぁ…」


その洗濯したことが問題なのに彼は全く気づいていない。青年Sはのちに語るが、「いやああれは本当に酷かった。なぜかと?ちゃんと伸ばしもしないで本当にただかけただけだし、第一泡まみれだったからだ。大体長もできないことをやるなと幾度となく言っておいたのに(以下略)(※声は変更しております)」…とのこと。この後はただ単に「長」という者への愚痴が続いただけなので略しております。

まぁ、つまりはそうゆうことで彼はいいことをしたつもりなのだろうがその実は全く逆で、迷惑にしかなっていなかったということ。そのことに全く気づいてないぶん達が悪い。


「佐助様ー、幸村様がお呼びですー!」

「え?真田の旦那なんの用だろ…嫌な予感が絶えないけど行かないと怒られるしな…わかったー!今行くー!」

「あ、佐助様私共が一緒に…ってもう言ってしまわれた…」

「…幸村様にご報告を。才蔵殿に連絡を。」

「承知しておりまする」


この後屋根裏で迷っている佐助を才蔵が捕獲し、2人仲良く幸村の部屋に行った後2人に説教を食らうのだが、またそれは別のお話…。



武田家の日常
(長、いつも言ってるでしょう。別にできないことはやらなくていいと。大体長は…)
(佐助、おぬしは少しでいいから自覚すべきでござる)
(今日はいける気がしたんだ…!)
((それ昨日も聞いた))