「…で、なぜこうゆう事態になっておるのだ」

「知らん！起きたらいたんだ！」

「おのれいえやすううう！殺す！残滅してやるううう！！」

「あああちょっと黙れ貴様は！そして落ち着け！少しは状況判断を頭に入れろ！！」

「ああ逃げ回る三成を追い回すのも勿論大好きだがこっちの見慣れない性格の三成もまた格別…じゅるり」

「貴様は涎を拭け家康ううう！」


涎を流す家康に手拭いを投げつけつつ腕でもう1人の私こときっと原作三成であろう人物を押さえつける。俺筋力とかそんな強くないんだからそんな暴れるなって！家康残滅に関しては喜んで賛成するけどせめて城の外でやってくれ！！

どたばたと暴れる三成(原作)に、溜息をつく刑部に、私から渡された手拭いに感動する家康。…秀吉様の城を涎で汚して欲しくなかったという建前をつけて本音はただ汚いから拭いて欲しかっただけなのだが、どうやら選択を誤ったらしい。ツンデレだとか照れ屋だとか言われたらどうしよう。そのときは頑張って外に連れ出して三成(原作)に残滅してもらうか。

暴れている三成(原作)…面倒だからもう原作呼びでいいか。暴れている原作をなんとか落ち着かせ(刑部に手伝って貰った)やっと俺のことを見たかと思ったらなぜ私が2人いると叫びだし偽者と言われ残滅されそうになった。おいおい丸腰だぞこっち！まだ刀作ってる最中なんだから！そんな意を込めながら白刃取りをすればまたキレられた。ツンギレ萌えなんて言ってる場合じゃない。本気で殺される。


「うわああああんぎょうぶうううう！」

「貴様ァァアアア！私の顔をしてそのような弱音を吐くなァァアアアアア！！」

「お前のせいだああああ！ついでにこれは俺の顔じゃああああ！！」

「やれやれ…よせ三成。泣いておる」

「刑部！一体どうゆうことだ！なぜ私が2人いる、なぜ家康もここにいる！！」

「三成の泣き顔に三成の怒り顔…はっ！これはまさかわしのために増えたのか！？」

「いえやすううう！お前もう帰れ！きもい！妄想なら家でしろ！1人で自慰でもしていろおおお！！」


結局妄想内に出てくるのは俺だろうけどな！ちくしょうでも今の時代写真がなくてよかった！！
白刃取りのポーズのまま、つまり上に原作。左に刑部。そして刑部の斜め後ろに家康…。どうしよう、刑部だけじゃこの事態を収拾できない。とりあえず家康を迎えにきてくれホンダム。お願いだ。もうなにこれ俺引きこもってもられないの？睡眠もとっちゃいけないの？…ははっ、どうしよう刑部。俺、今なら秀吉様に会える気がするよ…。

いろいろと疲れて、現実逃避をこめて遠い目をしていればなにやら新たな気配が背後に現れた気がした。というか現れた。背後の襖を静かに開けて、そいつはやってきた。


「…闇色さん…？」


救世主キターーーー(´∀｀；)ーーーーー！！！
いや救世主といっていいのかわからないけど！でも光色さんこと家康を毎回止めてくれるのはこの子だ！もちろん刑部もとめてくれるけどこの子の方が確実だ！というかこの子のおててさんが！ありがとうおててさん、いつもお世話になってます！！

今度お市ちゃん連れて甘味屋行こう。あと長政には心の中で謝っておく。会ったことないけどごめん長政。なにがって、まぁいろいろだよ。とりあえずごめん。でも今いないお前が悪いんだ。市ちゃんおいてったお前が悪いんだ。そんなわけで市ちゃんは俺が貰ったァ！

そんなことを内心で考えていたのがばれたのかどうかはわからないが、なぜか急に黒いおててさんが俺に向かってきた。………あれ？俺にむかってきた？


「のわあああああ！？」


とりあえず身近にいた原作を盾にすれば原作は反射的におててさんを切り捨てる。うわああああおててさーん！俺がおててさんを見てそう言ってるのにも関わらず完全無視で原作は市ちゃんの方を向く。ああああどうしよう誤解してる予感！！

市ちゃんはなんでおててさんが俺に攻撃してきたのか理解してない様子…あれ、どうしよう。俺もしかしたらもしかする可能性に気づいてしまった。

とりあえず刑部に助けてと視線を送ってみる。あ、いや家康お前じゃない。お前を見ているわけじゃない。勘違いをするな。
家康を視界にいれないよう頑張りながら刑部に視線を向ければ、刑部はやれやれといった感じに原作と市の間に入る。ありがとう刑部。それとお願いだからそろそろ帰れ家康。


確実に足手まといになっているのを感じながらも、ことの成り行きを見守ることにした。



ツンギレとヘタレとヘンタイとオカンと救世主
(刑部。なぜそんな女を庇う。なぜ私が2人いる。さっさと教えろ。)
(われが説明する以前にぬしが話を聞かぬだろう…)
(闇色さんが2人？…でも、ひとりは、こわい)
(三成三成三成三成三成愛してるうううう！)
(あー、元就んとこのにゃんこ軍にでも癒されに行ってこよっかなー…)

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