■ 消えた刀

「………なぁ刑部。刀がないんだが知らないか?」

「知らぬ。…というかまたぬしはなくしたのか。前回あれほど言っておいたろう」

「いや、だって居合い斬りするのには腰に鞘さしてる状態じゃやりずらくてさ…」

「そんなんだからぬしは度々戦中鞘をなくすのだ」

「さーせんお母さん」

「………」

「ごめんなさい軽率な発言してごめんなさい僕探しに行って参りますねそれでは」


刑部は眼力だけで人を殺せるであろう。猿飛や長曾我部もそうだ。思ったままオカンと呼ぶとやつらはこれでもかというくらいに黒いオーラを発する。別に睨まれているわけでもなんでもない、猿飛に至ってはむしろ超笑顔なんだがそれが逆に怖い。

刑部の目を見ずに、そそくさと、まさにGの如くカサカサと城を抜けてきた。




「…というわけで知らないか?私の刀」

「そのようなものはしらぬ。」

「つーかお前さんまた無くしたのか!」


とりあえず毛利のところに来てみた。もしかしたら前執務をさぼるためにゃんこ軍と戯れにきたときに置いていったからではないかと思ったからだ。

おいおいお前執務さぼって何してるよ、というつっこみはなしだ。


「はぁ…、いつ無くしたんだ?」

「しらん。気づいたらなかった。」

「最近戦はなかったからな、我も輪刀手入れするの忘れておった。」

「つーかお前の場合くるくる遊んでるだろ」

「ふらふうぷという遊びぞ。」

「いや、フラフープは遊びの名称じゃなくて道具だろう。」


…はっ、しまった。ついついツッコんでしまった。生憎2人は疑問にもってないようだがこれが真田だったら危なかった。あの子アホの子のはずなのにちらちら腹黒いのが垣間見えてるからな。特に甘味に関することとなると黒さはんぱない。

結局知らないようなので別なところに向かうこととした。
というか気づかなすぎだと思う自分。いつから刀ないのにさえ気づいてなかったよ。



消えた刀
(次は…とりあえず真田のところに行くか)
(猿飛ならなんか知ってるかもしれないs――!?)

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