■ 大将の脱走

家康は、幼少期からずっと我慢してきた。あの有名な詩がいい例だろう、家康は鳥が鳴くまで待ってくれるほど、我慢強いのだ。だから、俺もそれに従い我慢しなくちゃいけないのだ。そう、我慢して我慢して我慢して…


「って現代人にんなことできっカーッ!!」

「!!!?(うわぁ!?)」

「もう執務やだよー!戦もやだよー!怖いよー!農民になりたいよー!やだよーやだよー活字見たくないよー書きたくないよー会議なんて難しいことしたくないよーやだよーやだよーーーー!!!」

「!!!!(ほら、もうちょっとなんだから頑張れ!な?)」

「頑張ってる人に頑張れって言っちゃいけないんだよーやだよーやだよーもう俺引きこもるよー!なにが東軍大将だよー!三成怖いよー!なんで俺秀吉さんに勝っちゃってんだよーもう文字書きたくないー書きたくないーーー…!!そうだ!」

「!!!!(どうした?)」

「…俺は、旅に出る!」

「!!!!??(えぇえぇえええええ!?)」

「そうと決まればすぐ決行だ!じゃあ忠勝!あとは頼んだ!!」

「!??!?!(え、えぇええぇ!?大将!?ゆ、夕飯までには戻るんですよー!)」



▽▲



「大谷様ー!大変です!」

「どうした」

「三成様がいません!」

「……、部屋になにかあったか?」

「はい、墨汁がたたみに零れていたのと、着流しがなくなってました!」

「…三成め、あやつ…逃げおったな」

「探しますか?」

「たぶんあやつのことよ…迷子になっておるに決まっている。だがいつでたのかもわからぬし…足無駄に早いからなぁ…」

「どうします?」

「……とりあえず探しに行け、われはわれで探してみる」

「はっ!」

「………はぁ、またやつの悪いくせがでおった…」



大将の脱走
(もう執務なんてしたくない宿題なんて滅びろよ…)
(甘味甘味甘味甘味甘味甘味の呼ぶ声が聞こえてくる!!)

[ prev / next ]