■ 覚えてはいるんだ…顔は。

今日は、なにやら訪問者?まぁお客様がくるらしい。それ相当の。なんか家の皆が慌しくしてるし忠勝になんかいろいろ言われた。お客様の話はちゃんと聞くんですよ。とか。お前は俺の母ちゃんかと問いたい。

それからやってきたお客様は重そうな兜つけた片目のにーさんだった


「よぉ家康、Partyの話にきたぜ」

「………ぱありい?」

「戦の話だ。」


…ああパーティーのことか。そういえば発音はパーリィーだったな。目の前のよく覚えてない男を見ながらそれとなく言葉を紡ぐ。この男、誰だっけ。眼帯野朗としか覚えてねぇや…どうしよう。

それとなーく戦、今後に控えている関ヶ原の話をしつついろいろと考える。安藤君…は違うよな、斉藤?いやいやそんな普通な名前じゃなかったよ確か…そういや妹が前世でなんか言ってたよな?ルー語マスターだったっけ?確実に名前じゃないなそりゃ肩書きだ。…肩書き?確かこの男にも肩書きがあったよな…えーっと確か、確か…


「そのとき俺は言ってやったんだ、『竜の心臓は、ここだぜ?』ってな!!」

「竜…」

「ああ、あんときのあいつのfaceはそりゃあもう傑作だったぜ…」


竜…片目…三日月…奥州筆頭…ううんあと少し…なんだっけ…片目…一つの目…ひとつ…独り…ん?なんか思い出せそうだ!!竜…目…確か目は別な漢字で眼………、そうか…思い出せたぞ!!


「独眼竜!!」

「WOW!?な、なんだ急に!びっくりするじゃねぇか!!」

「あ、すまない…」

「…Hum、で。なんだ。」

「ん?…あ、あぁ…あのだな、…っと…今度の戦い、負けられないな!」

「………。」

「(……あれ、間違った?つか名前考えてたのばれた…?)」

「…Ha、当たり前だろ…俺が、俺等が天下取るんだ!」

「(ありがとう!気づかないでいてくれてありがとう!!)ああ、絆の力で頑張ろう!」


こうして俺は有る意味戦よりも困難な状況を見事に打開した。ありがとう独眼竜、凄いぞ独眼竜!それでこそ俺の仲間だ!!

それから独眼竜が帰った後、忠勝に上記の話をしたら絶対本人に告げてはだめだといわれた。さすがにそのくらい心得ているさ!俺だってそこまでばかじゃない!次はもう忘れないぞ!!

忠勝が後ろで溜息をついていたのを、俺は知らない。



覚えてはいるんだ…顔は。
(やぁ独眼竜!いい天気だな独眼竜!今日もいい絆日和だ独眼竜!!)
(ん?あ、あぁ…お前は今日も元気そう、だな…?)
(!!!!!(そんな名前連呼しなくていいから!!!))

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