今日は部活もなく、帰りの仕度をして帰ろうとしたら佐助達に止められた。なんだろうと思って後ろを向けば佐助がいい笑顔で「今日部活オフなんだよ、皆。ゆうろもだろ?」と言ってきた。珍しい。4人全員部活がオフになるだなんて。そんなことを考えつつも「そうだよ」と返す。
「じゃあ、一緒に帰ろうか」といわれてまた面食らってしまう。なぜって、学校では“クラスメイト”がステータスだったからだ。中学のときの名残で無意識に学校では関係ないフリをしてしまうのだから話すことはおろか一緒に帰るだなんてありえないことだった。

まぁ、一緒に帰るのが嫌なわけないので快く承知させていただいたのだが。


「珍しいね、4人全員部活オフだなんて」

「だよねー。それと皆帰るのが被ったのもだよねー」

「真田は自主練、先生方は会議だからな」

「(久しい)」


確かに、4人一緒に帰るのなんて小学校以来だ。昔はよく4人で馬鹿なことしたなぁ、家まで石蹴って帰ったり影から出たら死亡とか白線から出たら死亡とか。冬は雪合戦しながら帰って最終的に皆本気になっちゃって親達に怒られたり。夏は夏で虫捕まえたりとかしたなぁ。今思えば本当にくだらないことばかりだ。まぁ小学生ならこのくらいなのだろうけども。

適当に落ちている木の棒を拾い、適当に振り回す。昔はこれでチャンバラごっことかやったなぁと思っていると急に木の枝が飛んできた。木の棒で叩き落としてから犯人を見れば、かすがだった。


「かすがー、危ないじゃん」

「お前ならこのくらい全然平気だろう」

「どこからそんな自信わいてくるんだ」

「なんとなくじゃ、ないッ?」

「うわぁ!危なッ!不意打ちは危ないよ!」

「(とうっ!)」

「うわ小太郎それは反則だろー!?」


木の枝を何本も持っているかすがと、枝がちゃんと取れていない木の棒で攻撃してきた佐助と、長い木の棒を二つに折って佐助を攻撃する小太郎と。

なんか凄く、同心に帰ってみんなでチャンバラごっこを楽しんだ



「今日は部活がオフなんだ。お前は?」
(やべー母さんに怒られるよこれ)
(佐助、貴様が砂かけなどするから!)
(えぇ!?かすがだって葉っぱいっぱい投げてきたじゃん!)
((皆同じくらい、悪い。))