ちょっとした話だが、私と佐助は学校でまでべたべたしてるわけではない。それはかすがにも言えることなのだが。あれだ、思春期のとき。ちょっと仲良さ気に会話してるだけでからかわれるだろう?私達がそうなったことはないのだが、なんかまぁ思春期特有の恥ずかしさとかがあったんだと思う。だから必要時以外極力小太郎と佐助の2人とは話さなかった。もちろんそれは相手も一緒で、殆ど話かけてこなかった。別に仲が悪いとかそんなわけではなかった。むしろそんな思春期の間も家に帰れば別で4人で集まって遊んだりしてた。家限定だったけど。

そんな状態がずるずると続き、あのころ程ではないものの今だ学校でそんな仲良くしてるわけではない私達。

佐助は社交的で友達がたくさんいて。
小太郎はよく図書室の先生と仲良くしてて。
かすがは恋…というかアイドルのおっかけみたくなってて。

そして私はというとそこそこの人間関係しかなく、というか普段ずっとかすがと行動してるから所謂友達と断言できる子が女子にいなくて。つまり何が言いたいかといいますと、

かすがが謙信先生とご飯を食べに行ってしまったため1人寂しく昼食中なう(´・ω・`)


「……はぁ、今更だけど私…友達って呼べるのかすが達と幸村君ぐらいしかいなかったじゃん…」


こんなことなぁ友達作りしておけばよかったなぁ…。そんなことを考えつつお弁当をつまむ。あ、玉子焼きおいしい。

別に1人が嫌いなわけじゃない。というか私はどちらかと言うと依存体質なのだ。1人友達がいればその子にずっとついていくような、そんな体質なのだ。だから私は生まれてすぐ3人の友達がいたわけだから今の今まで自分から友達作りに走ったことはない。幸村君だって佐助に紹介されただけだし。

あ、でも…2人は、違うか。


石田三成と大谷吉継。
彼等は、私が唯一自分から作った友達…と言える気がする。小学校の頃委員会が一緒で、それから知り合って仲良くなった。今思えば三成君と吉継君が飼育委員とか可愛かったな。秀吉先輩が委員長で、三成君と半兵衛先輩が福委員長。そして私と吉継君が書記だった。まぁ小学校の委員会なんで書記といっても黒板に意見を纏めたりするくらいだったけど。ノートに纏めるのは吉継君がやってくれてたっけ。

少し過去を思い出し、小さく笑う。

そういえばあのころ佐助と幸村君は給食委員だったなぁ…余りもの貰ったとかはしゃいでたな。幸村君。


「……そういえば秀吉先輩と半兵衛先輩って、今どうしてるんだろ…」

「秀吉様はこの学校の生徒会会長だ。副会長は半兵衛様だ。」

「あー同じ学校だったんだぁ……って三成君!?」


ボーっと思考にトリップしすぎていたのか、背後に三成君がいることに気づかなかった。よくよく見れば吉継君もいるじゃないか。うわぁ恥ずかしい…独り言全部聞かれてた系だ。吉継君凄くにやにやしてるもん。

顔が赤くなってるなぁと思いながらきちんと後ろを振り向く。上半身だけ後ろに向いてる体制じゃ失礼だしね。


「ど、どうしたの三成君…」

「なに、ぬしが1人で寂しそうに飯を食っていたからきてやっただけよ」

「ぐっ…見破られていたか…!」

「貴様なぜ1人で喰っている?」

「いや、かすがが謙信先生とご飯にいっちゃって…」

「…友達が1人いぬだけで1人飯とは……ぬしに友達は何人おるのだ?」

「余計なお世話じゃ!」


哀れに満ちた視線を向けるな!私だって友達少ないこと自覚したよ!さっきだけど!猫のように威嚇すれば、愉快そうに笑い声をあげ適当に近くにあった使っていない机を二つ私の机にくっつけた。私が不思議そうに見ているとわかったのか「一緒に喰ってやる。秀吉様に感謝するんだな。」となぜ秀吉先輩に感謝しなきゃいけないのかよくわからない言葉をはかれた。

とりあえず、2人にお礼を言って私達はご飯を食べ始めた。



「友達休んだから1人飯って……。お前、友達は何人いるんだよ?」
((あーなんか懐かしいなぁ…、?あれ?おかしいな、私別に三成君達とご飯食べた覚えはないんだけどなぁ…あれぇ?))
((……なぜ私はこいつと一緒に食事をしているのだろう…))
((ふうむ…落ち着く、のは…なぜだ?))