「10代目、こいつぶっ殺しますか」
「ひぃいやめて獄寺君それ先生だからぁ!!」

目の前で広げられている光景に、呆然とする彼。振り向いてきたので、笑顔で答える。

「だから言ったでしょ」

彼はそういう、『キャラクター』なのだから。



紙面と現実を混合させるつもりはないのだけれど、やっぱり現実味がわからないというのは確かなのか、それともまた別なのか。私には少し判別がつかない。『キャラクター』に私という存在を認識されれば、はたりと現実を感じさせるときがある。その感覚があるということは、私はここを現実だと思っていないということで。
ゆめ、という言葉が一番近いと思う。ゆめのせかい。ここは私の、ゆめのせかいなのだ。この世界を否定しているとかそういうんじゃなくて、ただただ普通に、そう捉えてしまっているだけ。10年後、とかなったらさすがにそういう感覚はなくなるんじゃないかな。しらないけど。
10年後まで、いるつもりも、ないけれど。

「…いない、よ。絶対に。」

見えないあくまは、わらっていたのかもしれない。


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