そういえば、あれ以来親からの連絡がない。あのあとメールで自撮り写メを送りつけたけど、それっきりだ。まぁあんまり海外から携帯にメール送ってくるとか料金ばっかりかかって大変なんだろうけれど、なんだか少し気にならなくも、ない。

「それに…あのメッセージカードも」

大切に封筒に戻して机の引き出しへとしまったあのメッセージカードだって、親とは決まっていない。むしろたぶん違うと思う。一回しか見ていないけれど、あの字はこの家のいろんなところに貼ってある書置きの字とは違っていた。綺麗だけど、淡白で乱暴そうな印象を受けたあの字は、ちょっと癖のある父の字でも、綺麗で読みやすい母の字とも違う。ひとつだけ異質な文字。あと可能性が残っているとすれば親戚なのだけれど、それならば名前を書かない理由がわからない。

「…考えても、わかりっこないか」

これで親戚がボンゴレ関係の職業についてたらどうしよう、なんて思ったけど、なんだそれ。なら両親だってボンゴレ関連の職業だろう。娘ひとりぼっちにしは、しないだろう。あーでもそうだな、主人公の家は母親と息子置いて父ひとり消えてるもんなぁ…だとしたら、ありえるんだろうか。ありえて、しまうんだろうか。

ありえちゃったら、わたし、最初から傍観なんてできないじゃない。

「…でも、それでも、わたしは」

わたしは、関わらない。


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