「ありがとうな毛利!」

「次は溜め込むな」

「…考えとくわ」

「焼け焦げよ」


親指を下につきつける動作も忘れずに言い捨てて帰っていきやがったあの野郎…。
もうこのやり取りも何回めになるかわからねぇが、相変わらずな態度を最後まで崩さない様に、やっぱり気のせいだったのか?と思う。
なんか今日はいつもより、こう、なんつーか、機嫌が悪いっつーか、怒ってるっつーか、でも楽しんでるっつーか…こう、ピリピリしてると思ったんだけどな…。


「…やっぱり政務溜め込んだの手伝わせたせいか…?」

「アニキ…すいません俺らもわからないばっかりに…!」

「死ぬときは一緒ですアニキ!」

「いや死ぬ気はねぇよ!…焦げるかもしんねぇけど」


次はちゃんと政務をしよう。心に決めた。



可能性を捨ててきた
(読み間違えば、後戻りはできないと知りながら。)

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