「…なんでッ、なんでテメェがあんなことしやがったんだッ!!」
憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪。憤怒も混じり合い、ああ、なんて真っ直ぐな。
バレた。そう考えつくのに、時間はいらなかった。ただ、少しだけ時間を要したのが、もうどう頑張ろうと元には戻せないと理解することだけだった。
「…………」
「おいッ毛利!聞いてやがんのか!」
「………した」
「あ?」
「それが、どうしたと聞いている。貴様、耳まで使えなくなったか?」
「なッ…!?」
驚愕と悲哀と憎悪と憤怒。全部ごちゃごちゃになっているのに、ひとつも曲がることなく、真っ直ぐと綺麗にその矛先は我へと向けられている。いたくは、ない。いたくはない。むしろ、我は、それを望んでいただろうが。
「ッ…仲良くなれたと思ったのによ」
「自惚れるな…貴様は長曾我部で、我は、毛利よ」
「ずっと気を…待ってたっつーのかよ…!」
「フンッ…相変わらず最後まで馬鹿な男よ。貴様も、あやつらも、愚直な者しか居らぬのか」
「あいつら…?まさか、毛利…お前…」
「…全ては、我が手の内よ」
「ッ毛利ィィイイイイイ!テメェだけは、テメェだけは絶対に赦さねえ!!!」
「……………それでいい。貴様は、愚直で居るがよい。」
憎悪に塗れても、真っ直ぐで、故に愚直な、羨ましいまでの愚直な己で居るが良い。
いくら叫んでも、音は届かない (元に戻らないならば、もういらない。)
← / →
|