学校に行けば、下駄箱はゴミだらけ机はボロボロ。話かけてもぶつかっても無視が当たり前。生憎荷物に被害は無い。まぁ机の中身はゴミだらけなのだが。それももう当たり前になってきてしまった。
授業中ケシカスを投げつけられるのも、先生に明らかに高校入学の時点で習うようなもんじゃない問題当てられるのも、掃除の時間ゴミが全て僕の机にかけられているのも、全部全部全部全部全部全部全部全部全部

当たり前となってしまっていた。


「…指を指されて罵倒され笑いの的になるのも陰口を言われるのも真実なんて全く入っていない噂を回されるのもその噂を信じて僕に全部やり返してくるのも全部全部全部同じで全部全部全部繰り返しで、はぁ…。

 飽きてきた、なぁ…。」


これ以上ヒートアップするのを望んでいるわけじゃない。僕だってこれ以上の被害は被りたくないからね。というか僕にプライドなんてないからこれでもあの女に謝っているのだが、いまだに続くとはどういう了見なんだろうか?周りの奴らは馬鹿なのだろうか?わからない。普通謝った後同じことを繰り返すと思うのだろうか?いやまぁ捕まったときだけ反省して許して貰ったらまた繰り返すのが犯罪者なのだが。僕もそう見られているのか。だとしたら僕はなんて極悪人なんだと一目でわかるような面なんだろうな。でも僕母さん似なんだけど。


「ちなみに僕の母さんは自他共に認める程美人さんじゃあないんだけど、中の上くらいかな。ブスではないね。父さんもまぁまぁなイケメンなんじゃないかな?まぁ僕と違ってびっくりするくらい2人共まじめで仕事熱心なんだけどね。」

「結局のところ何が言いたいのだ貴様は」

「つまり僕はまぁまぁイケメンでどちらかというと極悪人とか不良フェイスではなくベイビーフェイス的なんだよ。目は死んでるってよく言われるけどね。だからそんな極悪人に見えるわけがないのになぜ僕はいじめられているのか。今回の問題点はここだと思ったような気がしたんだよ」

「知らん。どうでもいい。」

「まぁ実のところ僕もそれはどうでもいいと思ってたんだ。きっと僕が超極悪人面でも超プリティーベビーフェイスでも同じ結果だったと思う。いや、前者ならまず告白されないから同じとはいえないか。」


ほとんど独り言気味で会話を紡ぐ。いやこれ紡いでるのかな、紡いでるっていうのかな?わからないけどまぁいいや。重要でもなんでもない。僕の重要なことは彼女に関することで、この男の重要なことは秀吉様、半兵衛様に関することだ。形部というのはよく知らない。どうでもいいけど。


「そういえば君は僕といて平気なのかい?」

「なにがだ」

「前文を読めば嫌でもわかる通り僕は超極悪人で皆に制裁を受けているような人間なんだよ。そんな罪人と呼ばれるべき僕と一緒にいて君はいいのかいと僕は聞いているんだ」

「どうでもいい」

「まさかの一言」

「貴様のことなどどうでもいい、秀吉様に仇なす者ならば即刻残滅する」

「そう、ならいいや。」


会話が微妙にかみ合ってない?いやいいんだよ僕等の会話はこれで。とか言えるほど僕らは仲良くないけどね。まだ僕ら会話二回目だけどね。この男の名前知らないや。まぁ別にいいか。

それから微妙にかみ合ってない会話を続け、チャイムとともに僕らは互いの教室へ帰っていった。荷物は持ち歩いているから無事だったけど、やっぱり机とロッカーはゴミと落書きであふれかえっていた。



僕はきっと許されないだろう。
(ごめんねって何度言っても)
(きっとあの女とその取り巻きは許さないだろうなぁ)
(ああ、彼女に許されないのは全然平気だったのに)
(あの人間達の身勝手に振り回されるのは散々だなぁ)


僕はきっと許されないだろう