「僕は、最初から何も悪くない。」


言い切ってしまえば、自分を正当化したい人間の叫び声。


「ってめぇ!」


眼帯君の手が伸びる。いつも通り胸倉を掴む行為。そんな簡単に手を出すからだめなんだ。ちゃんと言葉で反論しないとだめなんだ。頭を動かさないとだめなんだ。そんなふうだから、僕みたいなやつに利用されるんだ。

眼帯君の手が僕の首辺りにくる。まぁまだ首というよりは胸だろうか?どうでもいいけど。それにあわせて僕は後ろへ行く。後ろは、古い。古い。


ガシャンッ

「!?」


金網でした。

金網が壊れ、そのまま僕は落ちる堕ちる墜ちる。おいおい、きみがやったことだろ?どうしてそんな顔をしてるんだい?そんな、

昔僕が落ちたとき彼女がしたような顔をしてるんだい?



要らないなら、僕を殺してよ
(要らないといったのは“君”なのに)
(なんでそうもそんな顔をするのか)
(今も昔も全く理解できないよ)


要らないなら、僕を殺してよ