引きこもりと唐突



起きたら、目の前に少し幼くなった兄がいた。


「…おはよう」

「えっ!?あ、う、うん…おはよう」


何どもってるんだろう、と思いながら体を起こす。今気づいたけどどうやら兄の部屋らしい。
あの2人と別れた後、ちゃんと自室に行って寝たんだけどな。なんで兄の部屋なんかにいるんだろうか?わからないや。


「…今、何時?てか綱吉仕事は?」

「へ?な、なんできみ俺の名前知ってるの!?」

「え?」


何言ってるんだお前は、と思ったけどどうやらそうゆうことらしい。
おかしいなー、私死んだ覚えないんだけどな。夢とか?まぁ、なんだっていいか。

びくびくと怯えてる兄を見て、そして辺りを見渡して。きっとこの家に私の部屋はないんだろうなと思いながら会話をすることにした。


「…私沢田月奈、沢田綱吉の双子の妹だったもの。この世界じゃ違うみたいだけどね」

「へ?へ?」

「世界超えてきたみたいだから、よろしく」

「えぇぇえ!?」


そんなに驚くことでもないだろうに、相変わらず兄はオーバーリアクションだ。

これからどうしようか、なんて考える暇もなくうるせえと飛んできた子供家庭教師に兄ははっ倒されていた。
おやまぁどこの世界でもバイオレンスな子供家庭教師さんですこと。


「…テメー本当にツナの兄妹か?」

「似てないってですか、悪かったな二卵性なんだよ」

「ッてーなリボーン!何も蹴ることないだろ!」

「うるせえ」


また蹴飛ばされる兄。そんなに子供家庭教師は横暴だったのか、知らなかったよ。
兄に友達が出来始めた辺りから、子供家庭教師が家に来て少したったくらいから、私と兄はそれほど干渉しあわなかったから、知らなかったよ。

まぁそれが寂しかった、とかそんなわけではないんだけども。


「…で、テメーはどこからきたんだ?」

「別世界からというのが今のところ仮説としてたってますけど、」

「そうじゃねぇ、時間だ。今のツナよりは未来から来てんだろ?」

「並盛中学2年生です。一応、たぶん、きっと」


…うん?正直自分で言っておきながら自分が何年生かわからないぞ。
未来に飛ぶ前は中2で、それから帰ってきたらなぜか兄達は高2だった。3年たってたってことは私は高2?いや、でも時間吹っ飛ばしてきてるしなー…。

正直わかんねーなもう、と思いながらぼーっとしてればニヒルに笑う子供家庭教師。うわ、嫌な予感しかしない。


「オ」

「だが断る」

「………ここに住ませてやってもよかったんだが、そうか嫌か」

「さーせんっしたよろしくおねがいします」


ぶっちゃけ何も持ってないのでこの申し出は受けるしかない。生憎身を包む並盛の制服しか私の私物はない。てかいつのまに着たんだ私よ。

にやりと子供に似合わぬ顔で笑う子供家庭教師に、吐き気がした。




引きこもりと唐突
(…今死んだら、戻れるのかと考えたけど)
(なんだか、無駄なことだと思った)

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