結果、彼女をここに置いておくことになった。
「ジョットさん、コーヒー入りましたよ」
「ああすまない。そこに置いておいてくれ」
Gなどは反対してきたが、あんな普通な子を捨ておくのも忍びないのでとりあえず『視察期間』ということで置いておくことになった。もちろんこれは彼女の知りえない事実である。
まぁ兄がマフィアだと、しかもボンゴレの10代目だというのだから彼女にも超直感が備わっていて、もしかしたら俺の考えも見据えているかもしれんが。
彼女が入れてくれたコーヒーに口をつける。
毒は、入っていない。
「………月奈、お前コーヒー入れたことないだろう」
「…わかりましたか。インスタントしかやったことありません。というかインスタントもまともにやったことありません。」
「………お前適当にやっただろう」
「先程述べたようにどうしていいかわからなかったのでそれっぽく見立てました」
「そうゆうときはせめてメイドに聞くとかしてくれ。俺からのお願いだ。」
「メイドさんとは言葉が通じないので。次からは頑張ります。」
「間違った方向にだけは頑張らないでくれ」
コーヒーはコーヒーでも、毒入りよりとても破壊力のあるコーヒーだった。こいつは毒など入れなくても普通に人を殺せるのかもしれない。
とりあえず今度Gにやり方を教えさせようそうしよう。
俺は誓った。
「…ああそうだジョットさん、先程ランポウさんがGさんに泣かされていたので飴あげたんですけど、別によかったですか?」
「飴ってのは…確か月奈が持ってたってやつか?」
「はい。食べますか?」
どこから取り出したのかわからないが、袋ごと出してきた月奈に俺は少し苦笑する。
こいつがコーヒーの入れ方を知らない理由が少しわかった気がした。
「じゃあ一つ貰おうか」
「どうぞ。色々味があるので好きなの選んでください」
「じゃあこれで」
「…ついでにこれも食べますか?」
俺が飴を選んでいる間にまたどこからか取り出したのか、何か…ビーンズのようなものが入っている小さなガチャポンのようなカプセルを取り出した。
本当どこから取り出しているんだろうと少し思いながらもそれも一つ受け取ることにした。
「じゃあ一つ」
「はい。どうぞ。あ、それを食べた後飴を食べてください。飴食べた後それを食べると地獄なので。」
「?」
どうゆう意味で地獄なのかはよくわからないが、とりあえず言うとおりにしてみようと思う。超直感も働かないから大丈夫だと思う。…あ、でも月奈には超直感効かないとか言ってなかっただろうか?…まぁ大丈夫だろう。
パクリ。
口に含んで数回噛む。
それと同時に吐き出した。
「ブフッ!げふっごふっ…つ、月奈…お前これ…」
「芝生味です。まだおいしいほうですよ。」
「いや、というか…この食べ物と思えない味のものは一体なんなんだ…」
「芝生味ビーンズです。ハ○ー・ポッ○ーに出てくるビーンズだと思ってください」
「ああ…お前がケイタイで見せてくれたあれか…」
つまりは鼻糞味もあるのかと聞いてみたところ、それはなくて代わりに腐った卵味があるとかなんとか。
…未来の食文化は酷く不思議だ。
「…なぁ月奈」
「なんでしょう」
「もしかして…これランポウにも…」
「あげました。」
「…何味があたったんだ?」
「……可哀想なことに…その…一番まずいとされる…ゲロ味に」
「…泣いたか」
「…泣きました」
…とりあえず守護者全員に食わせた後、月奈にこれを出させるのを禁止としようと思う。
引きこもりと初代
(ということで、食え)
(どうゆうことかわからんが…菓子か?)
(そうだ。超うまかったから食え)
(…嫌な予感しかしませんから辞退していいですか?)
(ボス命令だ。食・え。)
(※本当にこういうお菓子あります。おいしくないのもありますが普通においしいのもあります。オレンジ味とか、普通においしいやつはおいしいです。※)