引きこもりと死後



最近、兄が戦うらしい


「…あれ、ここ、どこだろう」


目を開けたら、真っ白い部屋の中。最後に浴びせられた痛みと銃声を思い出しここは死後の世界だと推測してみた。…違うと思うけど。

死後の世界自体どんな場所かなんて、知らないけどさ。
とりあえずテレビがあってマシュマロがあって小説があってテーブルと椅子とソファとベッドがあるような部屋だけじゃないと思うんだよね。


「…え、てゆーかなんでマシュマロ…?」


嫌いじゃないけども、別段特別好きってわけでもないんだけど…
え。どうすりゃいいのこれ。食べていいのかな。というかこれ私の部屋ってことでいいのかな?探ったらゲームも出てきたし、うん。これ私の部屋だ。間違いない。


「…じゃあまぁとりあえずパソコンもあることだし、情報収集といきますか。」


…あ、ごめん。そんな凄いことしないからね。勘違いさせたら本当ごめん。普通にネット開いて日付見たりするだけだから。
ああ、あと自分のブログ開いたり好きだったサイトさん見たり動画見たり…とても普通に使うだけだから。どっかハッキングするとかそんな力もってないからね。本当勘違いさせてたらごめん。

パソコンの電源を入れて少し待つ。
電源がついたと思ったらなぜか操作もしていないのに勝手にビデオ通話がつながっていた。


「…え?」

『やっほー、月奈チャン♪』

「はぁ、こんにちは。」

『…んん?ああそっか!なんか違和感があると思ったら今日だったんだね』

「…はぁ、」


え、意味わかんない。誰これ。この白い人誰。顔に刺青入れてるとか不良?こんな知り合いいなかったしなぁ…あ。もしかしてこの人マフィアとか?兄の友達?…いや、違うよね…。


『んー何か聞きたいことある?』

「とりあえず貴方は誰でしょうか」

『やっぱりそこからだよね。僕は白蘭、ミルフィオーレファミリーのNo.1だよ』


よろしくね。
笑顔で言ってくる"ビャクランさん"に、一応よろしくおねがいします。と頭を下げておく。

やっぱり、マフィア関係か。ていうかこれ遊びに来たって感じじゃないよね。兄は確かボンゴレファミリーとかの10代目、だったっけ。つまり、これはよくある捕虜ということなのだろうか。

人に迷惑かけるなって、いつになったら覚えるんだろう。あいつ。


『あーっと、月奈チャン。そこ月奈チャンの部屋だから好きに使っていいからね。あとご飯の時間になるとレオ君が届けてくれると思うから。なんか特に欲しいものとかある?』

「いえ、これだけゲームと小説があれば十分です。パソコンもあるみたいだし。」

『そ。ならよかった♪じゃあ僕は暇なときたまーにこうして勝手に繋ぐからよろしくねー』

「勝手に、ってのは困るんですけど…」

『あはは、そういうと思ってたから大丈夫。ちゃんと僕と繋がる前に合図がおこるからね。安心して。』


じゃ、今度こそまたねー
ぶつり。そこで強制的に通信が切れる。まぁわかったことと言えば外に出れないくらいで不自由はあまりないらしい。トイレも風呂もあるみたいだし。うん、楽園だ。

ビャクラン、ミルフィオーレ、マフィア、レオ。
わかったような、やっぱりわからないような。そんな心情だった。




引きこもりと死後
(あー、そういえば言い忘れてたんだけど)
(通話以外の合図がなったらそこのお花のアイコン押してみ?)
(とっても面白いものが見れるからね♪)
(気が向いたら見てみます)
(いや通信以外に合図なったとき見ないと意味ないからね…?)

prev / next