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移ろ惑うは影に御座りて
※武器擬人化 ※成り代わり ※まさかの名前が出てこない ※ほのぼ…の?
「まるたけえびすに おしおいけ あねさんろっかく たこにしき しあやぶったか まつまんごじょう せったちゃらちゃら うおのたな……」
ぽんぽんと鞠をつく音と、子供の声が聞こえる。あれぇおかしいな。今夜中のはずなんだけどな。よい子は寝る時間じゃない?なーんてことを考えつつ、鬼のふりして驚かしちゃおうかな、なんて考えてみる。パシリばっかりやってて癒しが足りないのだ。
「ろくじょう ひっちょう とおりすぎ はっちょうこえれば とうじみち くじょうとうじで とどめさす」
そういやこの歌懐かしい…いや今の時代的に言えば今がブームなのかもしれないけどね?でも俺様最初にこの歌聴いたの20年以上前…ん?400年先といったほうがいいのかな?まぁいいや、前世のときなんだよね。ほら、某子供探偵の映画であったじゃん?なかった?あったんだよ今度探してみな。
まぁそれで、そのとき聴いたのが最初なんだけどさ、結構好きだったんだよね。だからといって意味を調べたりしたわけじゃないけど。流れてれば聴く、くらいの感じで。てか今ちゃんと聞くと最後「とどめさす」、とか怖いよね。意味知らないからなんともいえないけどさ。
そんなことを考えながら声がしている場所へとたどり着く。ここではたと気づいたことがある。あ、やばいかも。 ただの感だけど。なんか本能的にやばいかもって感じた。逃げようかな?…いややっぱ面白そうだからいこう。本能的にやばいとか感じれるって俺様凄くない?てかあの子供にそう感じるってことはあの子供まじぱなくない?やばい超テンション上がってきたかも!
半分以上好奇心でその子供の背後へと降りれば、その子供は鞠を持ったままこちらを振り向く。わぁ俺様音も気配も消して降りたのに。やっぱ只者じゃないって感じー?
「あはー、今日…今晩は、か。今晩は。こんな夜中に出歩いてると明日起きれなくなるよー?」
「んむ、きみは虎の影じゃないか。んん?でも天鳳がいないね。武器は持ってるのに。どうしたの?」
…天鳳?てかあれ、俺様この子と知り合いだったっけ?…いや知らない。こんな笑顔が無邪気な子しらない。 邪気しかない笑顔をお持ちの子なら今団子食しつつ読書でもしてるんだろうけど、こんな無邪気な笑みを持った子は知らないや。
とりあえず何を言っているのかわからない、というのをアピールすべく首を傾げればその子は少し考える素振りを見せた後「んむ。そうゆうことね。」とつぶやいた。…どうしよう、俺様おいてけぼりだこれ。
そんな風に考えていたのがわかったのかそれとも顔に書いてあったのか、子供は笑顔で口を開いた。
「きみはボクの知る虎の影じゃあないみたいだね。次元が違うのかな?」
「え、なにそれ。確かに俺様迷子の子猫ちゃんだけどまさか次元超えちゃったの?」
「…迷子だったの?」
「しまった!言っちゃった!」
そう、実は迷子で子供を驚かせようとしたんじゃなく道を聞きたかっただけだったのさ! …威張っていえることじゃないよねこれ、旦那に怒られちゃうよ。まぁ昼には戻る予定だったのがこんな時間になっても帰ってこないから才蔵辺りがもう探しにきてるだろうけど。ごめん才蔵。でも迷子に関しては真田の旦那も諦めが入ってるから溜息だけで許してくれるんだよね。でも迷子を名目にさぼって遊んだときはなんでかバレたんだよなぁ…ってこんなことどうでもいいか。
「そ、そういえばさっきの歌って確か手鞠歌、だっけ?」
「…うん。そうだよ。」
少し怪訝そうに見てくる子供さんに、話題を変えるように言えば子供さんも一応はのってくれた。これでさっきの話に戻されたら俺様逃げるところだったよ。
「まるたけえびすにーってのね。俺様知ってるやつはあんたがたどこさってのだけど。」
「んむ?」
「あ、知らない?あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ、っての」
子供は知らないようで、んむむ?と疑問符をいっぱいだす。いやまぁ知ってたら逆にビックリなんだけどね。実際俺様もこれで遊んだことなんてほとんどないけど、一応はやってたから毬を借りてやってみることにした。
確か、どこさの「さ」のとき毬をついた手と毬の間に足通すんだったよね?
「あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場(せんば)さ 船場山には狸がおってさ……」
お、やばい。年柄にもなく楽しくなってきたぞ。てか俺様まだできたんだな…ってああ昔より身体能力いいからこんくらい簡単か。
「それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ それを木の葉でちょいと隠(かぶ)せ!」
最後に毬をキャッチして、終わり。 まぁ同じことの繰り返しだからどうとゆう話じゃないんだけどね。 本当はちゃんとしたやり方とかあんのかもしれないけど俺様は知らないなぁ。
というかドリブル…毬つきですはい。すいません。毬つき自体ほとんどやってないし、前世じゃ走り回ってる方が好きだった…わけでもないんだけど、まぁ、教室で毬つきできないし、大体ボールは皆ドッヂボールとかで使うから一人で使うわけにもいかないし、毬つきなんてほとんどできる環境じゃなかったんだけどね。
はい、と毬を返せば子供は相変わらず笑顔で、大人が結構楽しんでやってたことにつっこみをいれてくれなくてよかったなぁ、と思いつつも俺様も笑顔。またの名をポーカーフェイスってね。
「虎の影は凄いなぁ」
「まー俺様に限ってこんくらい楽勝だよね!」
「調子にのるのはどうかと思うよ」
「うっ…」
子供に痛いところつかれた…!あ、別に子供如きに。って意味じゃないからね? ってゆーかさ、この子あんまり子供っぽい感じしないんだけど、なんでだろ?まぁいいか別に。旦那も小さい頃…三つだっけ四つだっけ?まぁそんくらい。そんくらいに黒属性発動させてるし、なんらおかしくはないか。
「まぁ今の歌覚えておいてよ。俺様とあんただけの秘密ーみたいな?」
「んむ、大の男がそんなことしても可愛くはなれないよ?」
「こ、子供って残酷…!いいじゃん楽しいしー?」
こうニパーッ!って笑顔作るの結構楽しい…てかもう無意識にこうできるようになってるんだけど。でもまぁ楽しい。楽しいんだよ! …そういえば今更すぎるけど、この子供、本当なんでこんな時間にこんなとこいるんだ?
「そろそろお母さんの腕に抱かれておねんねする時間じゃない?」
「ボクお母さんいないんだ」
「へぇ、孤児。可哀相にね。」
「うーん、ちょっとそれは誤りがあるかな?きみは知らないだろうから教えておいてあげるけど、ボクは武器だ。人じゃない。」
「つまり擬人化ハスハスですねわかります」
「…んむ?」
「なんでもない気にしないで」
昔の癖がでただけなの、気にしないで。 そう子供に伝えればちゃんと聞いてくれた。なにこれいい子。あとごめんこっちのいるかいないかよくわかんない猿飛佐助、お前のイメージどんどん変人になっていくよ。
「てか武器ねー、つまり武器に成れるの?てか武器の一人歩きはいいの?」
「まぁ成れるよ。ボクはボクでしかないからね、妖刀に所有者は必要ないんだよ」
あ、でも前ボクを持っていた人は吉法だよ。 …うん、吉法って誰? 信長と言った方がよかったかな?
こんな会話をしつつ、えーつまり魔王さんの武器だったんだーって言えばまぁもとだけどねーと返ってくる。つまり今は違うということで、
「じゃあ今の所有者は?」
「…んむ、やっぱり人の子は同じ質問を繰り返すんだね、まぁきみの場合何も知らないから余計にかな?」
何かを含んだように言う目の前の子供は、そのまま笑顔で俺様に先程の質問の答えをくれた。
「ボクの所有者はボクだ。」
「へぇ。武器が武器の所有者になれるんだ。便利だねぇ」
「まぁボクは妖刀だからね。普通は所有者が死亡するとともに壊れるよ」
「うわなにそれ愛が重い」
主死亡と共に武器も死亡とかなにそれ重い。そういえば子供はきょとんとしたあと笑っていた。え、なんか俺様変なこと言ったかな?
「クックク…さすがは別世界の人の子だ。面白い。」
「お褒めに預かり光栄ですっていえばいいの?てか雰囲気変わってない?」
「ククッ…では人の子よ、ひとつ質問だ。貴様は武器をなんと捉える?」
「えーなにその質問、んなの決まってんじゃん」
まぁ、俺様の武器は喋るわけでも俺様の話を聞くわけでも人型になれるわけでもないから、そんな武器を持つ人の心情とはかけはなれているけどさ、
回答を呟いて、空を見る。ああもう、月も沈みそうだ。早く帰ろう。
最初の雰囲気に戻った子供に別れを告げて空へと飛ぶ。ああでも、ここ別世界なわけだよね?…ちゃんと帰れんのかな、俺様…。
下で静かに笑っているだろう子供を想像し、俺様も口元に笑みを作る。 ああ、でもやっぱ、暇つぶしとしては最適だったなぁ。 いくら魔王の武器でも、妖刀でも、意思を持った、『ヒト』だったのだから。
名前くらい聞いておいてやるべきだったろうか?と考えながら俺様は夜へ消えた。
移ろ惑うは影に御座りて (あ、才蔵発見!) (才蔵聞いて聞いて今さっきねー!)
(ふぅ、暇になっちゃったな) (…天鳳でもからかいにいこうかなー?)
▽▲▼△−11.11.26 黒雨
相互記念、『DISTORTION×YSENOHSID』の鷲様へ! 当家の佐助成代主と、鷲様家の『発条仕掛け』の武器擬人化兎束殿でコラボさせて頂きました!
無駄に長いのはうちの子・佐助の無駄な思考回路のせいですすいません(´・ω・`) そしてなんかかっこいい感じの題名はただ迷子をかっこよくしただけなんですすいません← 本当は佐助君の武器・天鳳とコラボさせようと最初は考えていたんですが…。 えぇ、まぁ、当家の佐助ならば確実にほっぺ掴んでむにーってやるよな、と思ったらそれしか思いつかなくなりましてですね…自重しました。クールな天鳳君にそんなことできないわ!←
シチュなどお任せでしたので、兎束殿と手毬を…おや?どうしてこうなった← 普通に手毬で遊んでほのぼのな感じにしようとしたのにどうしてこうなったんでしょうか、黒雨も不思議でしかたありません。 きっとこれも佐助のせいなので減給しておきますね☆←
鷲様、遅くなって申し訳ありませんがよろしければお納めくださいませ! 返品・書き直し、何度でも承りますので何かあったら仰ってください。
…そして鷲様に貰ったおまけにテンションMAXになって当家佐助Verも書いてしまいました← 次ページにあるので、こちらもよろしければおまけとしてどうぞ^^
こちらこそ、これからもよろしくお願いします!
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