落ち込んでいられるのも数秒だけ、すぐに状況理解するためにと真田の旦那に殴られてただいま皆で正座しているところですはい。

…ごめん少し嘘。
『床に』正座してるのは俺だけですはい。


「なんで俺様だけこんな扱いそもそもそれなら右目の旦那だって床に正座でもいいじゃんブツブツブツブツ…」

「えぇと…あの…」

「あの者は無視しておいてくだされ。それで…そなた等は一体?」

「あぁ、私は………」


それから簡単な自己紹介と、ここは未来だということを簡単に教わった。まぁ俺様知ってたけど。まだボケてない。まだ俺様はボケてない…!
やはりというべきか皆到底理解できないといった表情。まぁそりゃそうだ。知らないのだから。

だから皆は外を見た。そして理解した。理解せざるえない状況へと追いやられた。


「ここは、約400年以上先の未来…、か。」

「あ、佐助さんってば信じてませんね!」

「信じてないわけじゃないよー、信じたくないだけで、ね」


嘘だけど。ここが未来なのなんてとっくに知っていた。でも彼女等が知る猿飛佐助はこの時代を知らない。知っている方が、おかしいのだ。

まぁだからといって、俺様がおかしいなんて言ってるわけじゃないんだけどね。


「佐助」

「なぁに?」

「……お前、一体…いや、なんでもない」

「えーなによ俺様気になっちゃう!」

「…いや、ただ勝手にこの家を出てゆくなよ。才蔵もいないうえ何もわからないこの地で迷子になられても困る」

「…わ、わかって…ます。」


たぶん、大丈夫だと思うんだ。俺様の知ってる土地まで行けば全然大丈夫だと思う。うん。たぶん。俺様はきっとまだ覚えてる。たぶん、覚えてる。

少し不安気な脳内を整理しつつも、真田の旦那が聞きたそうにしていることには気づかないふりをした。



未来
(あ、そうだ。佐助さんと小十郎さんって料理できる?)
(え?俺様?べつにでき――)
(No!Stop!No!おおおお俺が特別に作ってやってもいいんだぜ!?)
(いや俺様が―――)
(政宗様だけの手を煩わせるわけにはいかねぇ、この小十郎めもお供します!)
(なら俺様も―――)
(さささささ佐助さん!料理じゃなくて佐助さんはほら、夢吉の世話!頼めるかな!?)
(え?あぁ、うん。別にいいけど…りょ、)
(うわーありがとう助かったよ!なぁ幸村!)
(そうでござるな前田殿。よかったな佐助、夢吉殿と仲良くなれまするぞ!)
(?うんそうだね?)


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