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笑顔が咲くかはあなたしだい


「………へぇ、そんなに大変だったんだ。でも凄いね。その5人組。」


ピンチに現れるなんて、まるでヒーローだね。
そういえば彼女等は意味がわからなかったのか、頭を捻った。まぁ英語なんて知らないだろう。僕は転生者だから簡単なのくらいはわかる。日常会話的なのくらいなら。

とりあえず笑って「あぁ、大変なときに現れる救世主、といったほうがよかったかな?」と言えば女の子達は顔を赤くする。うん。イケメンって本当楽だ。


「でもあれじゃない?ぽっと出の5人に国治めさせちゃっていいの?もしかしたら前の殿様より悪い人かもしれないよ?」

「…それは思いました。でも、それでもいいんです。」


少し俯いた女の子。でもすぐに僕の方を向いて笑顔を向ける。その笑顔は諦めたようなものじゃなく、吹っ切れたようなもの。


「どうせ私達の誰かが国を治める、なんてこと無理ですし…彼等はそうゆうのに慣れてるような、そんな感じでした。」

「あと、彼等が前の殿様のように自分のいいようにしてしまおうとしていたら…決めたんです。抗おうって。」

「…相手は強いのに?」

「はい。三味線を持ったお兄さんが言いまして、抗って覆せと。ですから、次は死ぬ気で抗おうと思います。無駄死にになっても、抗えたことに変わりはないですから。」


おい殿こんな可愛い女の子になに決意させてんだ。
三味線もったお兄さんってお前だろ。しかも抗えとかお前しかいねぇだろ本当。

急に殿の話がでてきてお茶を噴出しそうになったが、飲み込んで耐える。つーかあれだな、聞いてて思ったんだけどさ、やっぱり信用は微妙みたいだ。でもぱっと出の5人に少しでも信用してくれてるなら光栄じゃないか。忍としての私にゃとてもどうでもいい話なんだけど、やっぱあれだよね。平成人だった考えもあるわけでさ、うん。

なら、抗われないように、この国むっちゃ良くしなきゃなぁ。なんて、


「…じゃあ、もしこの国がまた悪くなってしまったら、次は俺が英雄となり皆を助けちゃおうかな」


笑顔で嘘を吐く。いや殿が俺もろとも全部あれしてしまえ、とか考えてたら本気で抗うけどさ。悪いけど俺は自己中なんだ。それはもう、恩人でさえ殺してしまえるくらい。

お茶を平らげまた一笑い。さて、大体評価はわかった。信用だけはどうしようもないけど、これは時間が必要だからおいておこう。あと聞いたのは前の殿のせいでどんなことをどう苦労したかという話。つまりここからこの国を改善するための作を見つけるわけだ。まぁ見つけるのは毛利殿なんだが。

あーっと、次は敵情視察…というか大名と今の政戦状況だけど。


「じゃあ、いろいろ教えてくれてありがとう。何もお礼できなくてごめんね?でももう俺、行かなきゃいけなくてさ」

「あ、いえいえ。愚痴はけただけで満足でしたわ」

「お兄さん次はどこに行くんですか?」

「次?そうだなぁ…ここから近いのは、どこかな?」

「ここから?…うーん、そうですね…ここなら伊達様の城下町が一番近いかと。」

「伊達領かぁ…ありがとう。じゃあ、そっちに向かってみることにするよ」


じゃあね、と笑顔で言ってその場を立ち去る。そうかぁ。伊達領かぁ………あ、ならもしかしてここいつきちゃんの村治めてた場所だったりー?あそこの領主酷かったってきくし。あれ、でもここが伊達領っては聞いてないなぁ。まだ、伊達が治める前とか?…え、それだったらあれだよね、凄く面倒なことになるなぁ。

とりあえずわかったことを簡単にまとめて脳内の引き出しへぽん。
さてさて、大名なんてなんとなく予想できるけど、確証がないから行って来るか。


人気の無い森に入り、変化をとく。とかなくても移動はできるけどさ、この姿は一応旅人だから。忍だと思われたくないんだよね。

木の上を飛びながら、そういえば殿はちゃんとやっているだろうかと思いを寄せてみた。暇だから。




笑顔が咲くかはあなたしだい
(女の子って噂話大好きだから本当大好き)
(あとかわいいし。)
(忍としても僕としても一緒にいて本当楽しいよね)


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