6 / 8 呆気ないを通り越している 本当に呆気なかった。それはもうびっくりするぐらいに。力の差が歴然としている、というのはたまたま傭兵とかがいたせいだ。ここ最近は誰も下克上なんて考えてなかったし、いいなりになっていたから傭兵もいなければ兵士を鍛えていたわけでもない。油断大敵とか、そんな話じゃない。ただの馬鹿だ。これでよく大将になれたもんだなぁ。 毛利殿が一応警戒していた奇策も特にはない。というか奇策以前にここは力と信頼を集めた方がよかったかもね。拍子抜けもいいところさ。 早い話が無事勝利を収めてしまったということ。短いとか言わないで。ただの雑魚に割く時間そんなにないから。 つまりまぁ、全て終わったわけでして。ぽっと出の5人だけど結構な信頼得ちゃったりして、ほいほい話しが進んで上手い具合に僕等がこの国治めることになっちゃったりしてね。 「…順調すぎて気持ち悪ッ!」 「…気持ちはわからなくもないです」 明智殿同意してくれてありがとう。ここまでスパッといっちゃうと凄く気持ち悪いよね。僕だけじゃないよね。まぁ話の展開的には普通にいいと思うんだけどさ。こんなくだらないことに10話も20話も使えないってやつ?てかさてかさ、この国治めることになったのはいいんだけどさ、ぶっちゃけ毛利殿と殿は一国の主だったわけやん?この国治めるとなるとやっぱトップが必要じゃん?…誰にするよ。 夢小説的な展開だと夢主がなるのが王道だけど残念、俺転生者だし忍だから。普通の平民よりも価値的に言えば低いから。そこらへんの草と一緒。おいおい草なめんなよ!七草うまいんだぞ!ふきのとうはいいつまみになるんだぞ!…って転生前母が言ってた気がする。 とりあえず、ねぇ、どうするよ。といった視線を毛利殿に向けてみる。いやまぁまずはこの国の改良からだろうけどさ。この国治めてた元殿様と家臣は邪魔なのみんな殺しちゃったからまずは人手不足をなくすのが先か?…めんどくせ。 俺の思考が通じたのか、毛利殿は苦笑気味で「お城の掃除と建て直しからはじめようか」なんて言ってくる。…そういや殺しまくったからお城血まみれだよね。夜中お化けとかでてきそう…うわあなにそれ一人で厠いけなくなる。 「血って落ちないんだよなぁ…もう一回全部ぶっ壊して立て直した方が早い気してきた。」 「誰が立てるんだその城を」 「どーせ殿はやんねーでしょうが。俺様任せでしょーが。」 「わらわも手伝うのじゃ!」 殿に愚痴ってるとガラシャが手をあげて「先生、私もやります!」と言ってくる。やばいガラシャ超いい子。殿とは大違いだ。 とりあえずガラシャを撫でておくと、毛利殿が割り入るように口を開いた 「やる気になってるのはいいんだけど、別に城は壊さないからね?城にそこまで割く余裕はないし、大体この国の治安を安定させるのが最初なんだから。ただ寝たり仕事したりするだけだけど鉄臭かったり肉がこびりついてたり壊れてたりするところでそんなことしたくないだろう?」 頭を少し捻って言うその姿はとてつもなく可愛い。イケメンは何をやっても許されるというのはこうゆうことだろうなぁ。無双世界で最初は結構キャラに会えた喜びとかでポーカーフェイスができなかったです。いい思い出。 まぁそんなポーズに関わらず言ってることはかなり血生臭い内容。やってることと言ってることが一致してない気がする。確かに毛利殿の言ってることは何ひとつ間違っちゃいないんだけどこびりついてるとかやめようよ。生っぽい。 「うーん、じゃあまぁ掃除とか皆に手伝って貰ってやるとして…僕も手伝った方がいい?それとも情報収集してきた方がいい?」 「ううん…悩みどころなんだよねぇ。掃除もやって欲しいけど今はやっぱ情報…かなぁ。」 「私達が知っているのは上杉と武田が戦していることくらい…やはり情報探ってもらった方がいいのでは?勢力も把握しておかねばなりませんし。」 「…なら俺は情報収集へと飛び立つとするよ。殿ーいいよねそれで?」 「いい。行って来い。」 「御意っとな」 その場からシュパッと消える。まぁやっぱ勢力は知っときたいもねー。ああそれと民家の皆の望みとかも知っておいた方がいいか。どこまで国が酷いのか確認もして…、あああ面倒くさいなあああ。慣れたけど。でもやっぱ面倒くさい。 とりあえずまずは近場の女の子から聞きますか。イケメンに変化すれば全然OKだよね。誰にしよっかなー…BASARAキャラはだめだろ?無双キャラ…もいつこっちくるかわからないし………あ。あれでいいや。 ぽん、と変化したのはうまい具合に殿と毛利殿を合体させたやつ。これなら毛利殿や殿にもし会ったとしても似てる人感覚しかないだろう。ってかぶっちゃけた話この格好好きなんだよね。だって超イケメンじゃん。性格ジャンルも顔ジャンルもまるっきし違うからだめかなーって思いつつ実験したときが懐かしい。もう自分の変化術に惚れそうだ。 かなりのイケメンとなりつつ下克上で舞い上がってる村に向かう。 あ、そういえば結局大将ってどうすんのかな。あのメンバーだと誰もやりたがらなさそうだ…。毛利殿は歴史家になりたいそうだし殿はまず面倒だから断るだろうし明智殿もどちらかというとそうゆうのに興味ない…ガラシャは遊び感覚でやりたがりそうだ。 今頃掃除をしている面々を思い浮かべつつ、仕事に入った。 呆気ないを通り越している (やぁこんにちは) (っ!こ、こんにちは…?) (俺旅人なんだけど、どうしたの?祭りかな?) (あ、い、いえ…(かっこいい…!)) ≪≪prev |